icon fsr

文献詳細

雑誌文献

medicina3巻2号

1966年02月発行

文献概要

治療のポイント

肝疾患と脂肪

著者: 高橋忠雄1

所属機関: 1慈恵医大内科

ページ範囲:P.208 - P.209

文献購入ページに移動
脂肪制限は必要か
 肝疾患と診断された—あるいはその疑いをもつた—患者の大多数が,心ならずも金科玉条として守つている養生法のひとつは,脂肪食餌の厳格な制限であろう。つまり,肝疾患に対しては脂質を多く含む食品は有害に作用するという考えは,患者だけでなく,医師の大多数にも,現在なおその頭のなかに根強く残されていると思われる。しかし,これはどんな根拠にもとづいているのであろうか。
 今世紀の初めから四半世紀ほど経過するまでのあいだに発表された研究のうち,この問題に関するものには,およそふたとおりの流れが見られる。ひとつは脂肪の多い食餌によつて,動物に脂肪肝が発生しうるという観察であり,もうひとつは,種々の有害因子によつて肝障害を起こさせるさいに,脂肪豊富食で飼育した動物では,それらのNoxeに対する抵抗が弱いという成績が数多く見られているということである。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1189

印刷版ISSN:0025-7699

雑誌購入ページに移動
icon up
あなたは医療従事者ですか?