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文献詳細

雑誌文献

medicina3巻4号

1966年04月発行

文献概要

治療のポイント

静注用鉄剤

著者: 河北靖夫1

所属機関: 1熊大第二内科

ページ範囲:P.513 - P.514

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 鉄欠乏性貧血に対する鉄剤の効果については,異論はないが,治療の性質上,しばしば,長期の投与を必要とするため,より副作用のないことが望ましい。
 古来,鉄剤として用いられてきたものは,主として内服であつたが,大量投与の場合,時に悪心,嘔吐,下痢などの副作用のため,内服に耐えられぬ症例や,まれではあるが,おそらくは鉄吸収障害のため効きにくい症例があるので,かなり以前から,鉄注射剤が要望されていた。しかし,鉄剤の注射は副作用を伴いやすく,また過剰投与による組織,器官の障害なども考慮せられて,まだ一般化するにはいたらなかつた。しかるに欧米では,近年コロイド鉄たるSaccharated iron oxide(Nissim,1947)が考案されて以来,比較的安全に,多量の鉄剤を静注で与えることが可能となり,その臨床的応用は急速にひろまつてきている。わが国においても,最近,いくつかの静注用鉄剤が市販され,ようやく応用の域にひろまりつつある。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1189

印刷版ISSN:0025-7699

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