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文献詳細

雑誌文献

medicina3巻5号

1966年05月発行

文献概要

治療のポイント

月経前緊張症

著者: 唐沢陽介1

所属機関: 1三楽病院・産婦人科

ページ範囲:P.668 - P.669

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月経前緊張症とは
 月経随伴症状といわれるもののなかには多種多様のものが含まれている。症状も複雑で,これの原因も多岐にわたつているが,大きく分けると全身的に現われてくるものと,内外性器を中心とする局所的なものとに分類することができる。またこれらの症状,障害が出現する時期もさまざまで,月経開始前2週間ぐらいから出血開始後しばらくまでの間のうち,あるものは早く,あるものは遅く発現してくる。このうち月経前緊張症(premenstrual tensionこれに対応する邦語はいくつか使われているが前記のものがもっとも有名である)とよばれるのは,月経開始2週間ないし10日前より出現し,その開始とともに解消する一つの症候群である。最初にこれが一つの疾患としてとりあげられたのは,米国の精神科医Frankによつてである。元来が精神科医の提唱であることからもわかるように,おもな症状は精神神経障害様症状,血管運動神経障害様症状などの全身的なもので,乳房症状のほかは,腰痛,下腹痛など出血に直接関係した局所症状はこれに含まれないと考えるほうが妥当である。
 これら症状は,女性特有の全身的な周期的変動に波生して起こつてくるものに相違ないのだが,その原因はこんにちなお明らかとされていない。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1189

印刷版ISSN:0025-7699

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