icon fsr

文献詳細

雑誌文献

medicina3巻5号

1966年05月発行

文献概要

正常値

血清電解質—Cl,CO2含量

著者: 浦壁重治1

所属機関: 1阪大・阿部内科

ページ範囲:P.678 - P.680

文献購入ページに移動
 生体では腎を効果器官とするHomeostasis維持機構が発達しているため,血清電解質濃度は種々の外因,内因に対して比較的安定で,したがつてその正常範囲,病的変動範囲いずれも他の濃度に比し狭い範囲にコントロールされている。これを測定法の立場からみれば,その測定に高精度が要求されることを意味する。幸い一,二の例外をのぞけば測定機器のめざましい発達によつて,この要求はほぼ満足される現状にある。たとえばCl測定は分析機器の発達を待つまでもなくSchales & Schales法など優秀な方法があり,さらにクーロメトリーを応用した機器も開発されている。一方CO2含量(HCO3-)測定には古くよりVan Slyke-Neillの検圧装置が用いられ,最近ではさらに簡便で検体量もわずか0.03mlで測定可能なUltra-micro-Van Slyke装置が広く市販されていて,Cl,CO2含量ともに敏速,簡易,高精度の測定が可能な現状にある。
 したがつてCl,CO2含量の血清濃度正常値については問題は少ない。以下その二,三について検討成績を示し,私見を述べる。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1189

印刷版ISSN:0025-7699

雑誌購入ページに移動
icon up
あなたは医療従事者ですか?