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処方と薬価について
著者: 佐藤二郎1
所属機関: 1岩手県立釜石病院
ページ範囲:P.684 - P.684
文献購入ページに移動しかしながら日進月歩の医学発展は必然的に薬剤の開発を促進し,極言するならば新製品は雨後の筍のように派生し,プロパー氏の現われるごとに新薬の紹介となるしだいである。しかも製薬会社も社会保険の点数制にうまく便乗するよう価格剤形をくふうしてくるのである。つまり新薬の導入は間接的ながらも薬剤料の伸びをもたらしていることは否定できないようである。ここにおいて医師は薬で儲けているのではないかという疑念が生ずるのもやむをえないことかもしれない。すなわちマージンの大きい薬を多く使用すればそれだけ実収が増えるという制度に問題があると考えられるのである。これは現行甲乙両表とも処方料が僅少で,ことに甲表では投薬により損失をまねくという不可思議な事実を知らなくてはなるまい。
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