icon fsr

文献詳細

雑誌文献

medicina3巻6号

1966年06月発行

グラフ

双胎間輸血症候群

著者: 西村昻三1

所属機関: 1聖路加国際病院小児科

ページ範囲:P.774 - P.775

文献概要

 一卵性双胎の約70%は一絨毛膜性胎盤を有するが,この一絨毛膜性胎盤には,それぞれの胎児の血管系に吻合がほとんど常にみられ,絨毛膜血管吻合体(Chorio-angiopagus) と考えられている.この血管吻合を介して両児間に血液偏在が生じたものが双胎間輸血症候群であるが,その発生には動静脈吻合が主役を演ずることが多い.この血液偏在の程度とその生じた時期,すなわち在胎中か,分娩経過中か,あるいは両者の合併によるかにより症状もことなつてくる.在胎中比較的長期にわたり発生した真性の場合には,受血者は大きく,多血,高血圧,心肥大,羊水過多などを伴い,給血者は小さく,貧血,低血圧,羊水過少などを伴うことが多い.診断に際し胎盤が一絨毛膜性であることを確めるとともに血管吻合の証明が大切である.治療は必要に応じ,多血児には瀉血または部分的交換輸血を,貧血児には輸血を行なう.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1189

印刷版ISSN:0025-7699

雑誌購入ページに移動
icon up

本サービスは医療関係者に向けた情報提供を目的としております。
一般の方に対する情報提供を目的としたものではない事をご了承ください。
また,本サービスのご利用にあたっては,利用規約およびプライバシーポリシーへの同意が必要です。

※本サービスを使わずにご契約中の電子商品をご利用したい場合はこちら