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文献詳細

雑誌文献

medicina3巻8号

1966年08月発行

文献概要

正常値

BSP検査法の意義と正常値

著者: 中沢幸胤1

所属機関: 1東大・物療内科

ページ範囲:P.1132 - P.1133

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 BSP検査は,数多い肝機能検査のなかでも,特に肝疾患に特異的な検査であり,ほかの疾患では異常値のみられることが最も少ない検査法の,一つといえよう。また肝循環動態の異常や胆汁うつ滞の有無をも含めた,肝全体としての機能レベルの指標として,早期診断や予後の判定にきわめて有用であり,その上,測定法も色素をアルカリで発色させて比色計でみるだけという簡便さのため検査施設による測定値の変動も少なく,再現性にもすぐれている。Leon Schiffはその著書の中で,どの方法よりも最も完全に近い肝機能検査法であるとまで推奨している。BSPの正常値についてみても,膠質反応や酵素反応を利用した検査法にくらべて,その範囲も狭く比較的明確で,種々の文献を比較参照してみても,それほど大きな相違は認められないのであるが,なお,対象となる生体側の条件や測定上の問題について留意すべき点も少なくないので,逐次検討していきたい。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1189

印刷版ISSN:0025-7699

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