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文献詳細

雑誌文献

medicina30巻1号

1993年01月発行

文献概要

心療内科コンサルテーション・8

心身症,神経症,ヒステリー,詐病はどう違うか

著者: 安藤勝己1 美根和典1

所属機関: 1九州大学医学部心療内科

ページ範囲:P.176 - P.179

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 胃潰瘍の患者に「消化器病」といった一般的な診断名をつけて,専門医に紹介する医師はまずいないと思われる.しかし,大学病院という特殊性もあるのか,当科で診療に当たっていると,「心身症」という診断をつけられ,かなり厄介ばらい的なニュアンスで紹介されてくる患者も多いことに気づかされる.このようなことが起きるのは,心身医学に対する理解不足が直接の原因であろうが,その底には心身症の患者にかかわるのは面倒だといった治療者側の認識があるからだと思われる.患者は治療者の接し方によっていろいろな顔を見せるものであり,患者を敬遠するような対応からは,心身症は病気でない病気,神経症は気のせい,ヒステリーはわがままといったような理解の仕方が出てきてもおかしくない.
 しかし,このような対応は,病気ではないから治療は必要ないという形で患者を切り捨て,疎外するばかりか,治療者にもしばしば不愉快な結果をもたらす.心身症の病態を治療的な見地から理解することは,結果として患者も治療者も楽になることにつながると考えられる.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1189

印刷版ISSN:0025-7699

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