medicina30巻10号

1993年09月発行

増刊号 これだけは知っておきたいX線写真読影のポイント 胸部X線写真の読み方

胸部X線写真読影のすすめ方

著者： 成松明子¹

所属機関： ¹東京女子医科大学放射医学教室

ページ範囲：P.71 - P.74

はじめに
　胸部単純正面像では，肺の空気が陰性の造影剤の役目を果たすため，異常陰影の検出に優れている．ただし，肺血管や気管支などの肺の既存構造の偏位のみが病変の局在診断を示唆することもあり，常に正常解剖を念頭において読影をすすめることが重要である．
　また，縦隔病変は中央陰影の輪郭や縦隔線の偏位およびシルエットの消失などを目安に局在診断がなされる．