medicina30巻3号

1993年03月発行

今月の主題 ウイルス肝炎ABC

ウイルス肝炎の臨床

D型肝炎の診断と臨床所見

著者： 岩波栄逸¹ 津田富康¹ 矢野右人²

所属機関： ¹大分医科大学第3内科 ²国立長崎中央病院臨床研究部

ページ範囲：P.486 - P.489

文献概要

●D型肝炎ウイルス（HDV）は，B型肝炎ウイルス（HBV）の補助機能なしに増殖はできない．つまり，HDVはHBVに寄生する．
●本邦では今のところ非常に稀な疾患であるが，HBVキャリアの多い地域では，好発地区からの侵入により今後広まる危険性がある．
●D型肝炎は重症肝炎ばかりでなく，B型と同様，慢性では無症候性キャリアから肝硬変，肝癌まで，急性では軽度から劇症までの疾患スペクトラムがある．