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今月の主題 白血病—研究と診療の最新情報 EDITORIAL
白血病における病態解明の進歩と臨床への応用
著者: 浅野茂隆12
所属機関: 1東京大学医学部第4内科 2東京大学医学研究所内科
ページ範囲:P.576 - P.577
文献購入ページに移動白血病は,正常造血幹細胞に比べて増殖優位性をもつ異常造血幹細胞クローンによって,もたらされる疾患である.その異常クローンがいつ,何が原因で発生し,どのようにして優位性を獲得していくのかは,一部の白血病の一部の事実を除いて分かっていない.疫学的研究が今後いかに重要かが指摘されるところである.多くの場合,診断は正常造血に何らかの障害が現れ,単一クローン性の異常細胞が検出できるまでに増加したときにはじめて可能となる.この時点で,主体を占めるようになった異常細胞の表現形質と増殖スピードはある特徴を有するが,それは症例により異なっている.また,疾患経過中に加わる多くの内的あるいは外的因子,特に増殖スピードは,治療法や最近明らかにされつつある内因性サイトカインの動態によって微妙な影響も受ける.
このようなこともあり,白血病の病型はもっぱら無治療診断時に主体を占める白血病細胞の表現形質にもとついて分類される.この病型診断は古典的な形態学的方法や組織化学的方法のほか,近年は免疫学的方法や遺伝子学的方法によっても行われる.実際に用いられる方法の数は,特に種々の,モノクローナル抗体が開発されつつあることで年々増加している.
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