文献詳細
今月の主題 心不全診療の新たな展開
INTRODUCTION
文献概要
1988年の厚生省死亡統計によれば,日本人の心疾患による死亡率は上昇を続け,人口10万人当たり約120人に達している(図1).一方,アメリカの統計によれば,同年の虚血性心疾患による死亡率は,1965年の人口10万人当たり240人をピークに減少を続け,同じく120人とされている(図2).
この数字を見ると,心不全による死亡率,逆にいえば発病率が日米でほぼ並んだことになるが,これは実際の臨床現場の印象とは異なる.わが国では,例えば末期癌で死亡しても,死亡診断書に心不全または呼吸不全と記載する悪しき風潮があり,この数字は相当割り引いて扱う必要がある.
この数字を見ると,心不全による死亡率,逆にいえば発病率が日米でほぼ並んだことになるが,これは実際の臨床現場の印象とは異なる.わが国では,例えば末期癌で死亡しても,死亡診断書に心不全または呼吸不全と記載する悪しき風潮があり,この数字は相当割り引いて扱う必要がある.
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