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対談 内科診療のあゆみ・8
膠原病診療の進歩
著者: 狩野庄吾1 尾形悦郎2
所属機関: 1自治医科大学アレルギー膠原病学 2癌研究会附属病院
ページ範囲:P.1577 - P.1588
文献購入ページに移動膠原病の歩みを振り返る
尾形 今回は膠原病について狩野先生にお話を司いたいと思います.最近卒業された学生さんたちは,膠原病に関して概念がきちんと定着しておりますので,恐らく何も疑問に思わないでしょうが,私どものような膠原病のコンセプトの変遷を本験してきた者としてはいろいろと不思議な面,未だに理解できない面などあるかと思います.
まず私たち1950年代後半に教育を受けた者からすると,まず膠原病という言葉ですが,膠原(collagen)という物質で名前がついていたというキーワードがありました.それから,膠原病として現在問題になっているもののうちのかなりのものは,あの当時は,ドイツ医学の流れだろうと思われるリウマチという概念で大きくまとめられていたように思われます.それから,1955年ぐらいになって,特に皮膚科の領域で,今から考えると膠原病に相当するような病気が記載され,問題になってきたような気がいたします.
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