medicina31巻10号

1994年10月発行

今月の主題 内科エマージェンシー

疾患別内科エマージェンシー

甲状腺クリーゼと粘液水腫昏睡

著者： 石川直文¹

所属機関： ¹伊藤病院内科

ページ範囲：P.2210 - P.2212

文献概要

ポイント
●甲状腺クリーゼ（thyroid crisis，thyroid storm）は，甲状腺機能亢進症の最も重篤な状態で生命の危険を伴う．
●粘液水腫昏睡（myxedema coma）は極度の甲状腺機能低下症に伴う危機的な意識障害の状態を指す．
●ともに非常に稀で，多くは何らかの誘因で発症する．
●予後は極めて不良であるため，迅速診断・治療が大切である．
●臨床的に強く疑われる場合は，甲状腺ホルモンの検査結果を待たずに直ちに治療を開始しなければならない．