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文献詳細

雑誌文献

medicina31巻11号

1994年10月発行

文献概要

増刊号 これだけは知っておきたい検査のポイント 第5集 血液生化学検査 蛋白

β2-マイクログロブリン

著者: 石井周一1

所属機関: 1JR東京総合病院内分泌内科

ページ範囲:P.20 - P.21

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検査の目的・意義
 β2-マイクログロブリン(β2-microglobulin;以下,β2-mと略す)は,1968年にBerggard1)らによって尿細管障害性蛋白尿患者の尿中から分離された,沈降係数1.6S,分子量11,800の低分子蛋白である.リンパ球をはじめとするほとんどの有核細胞で産生され,その表面に存在して主要組織適合遺伝子複合体クラスI分子のL鎖の構成成分となっている.
 β2-mは低分子であるため,健常人では腎臓の糸球体基底膜を容易に通過し,尿細管において大部分が再吸収,異化される.しかし,糸球体濾過値や腎血流量低下に伴い血清β2-m値は上昇するので,腎糸球体障害の指標としての意義を有している.なお,尿細管障害の際には,その再吸収,異化が障害されるため,尿中への排泄が増加する.したがって,尿中β2-mの測定は尿細管,とりわけ近位尿細管障害の指標として重要である(「尿中β2-マイクログロブリンとα1-マイクログロブリン」の項を参照).

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1189

印刷版ISSN:0025-7699

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