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文献詳細

雑誌文献

medicina31巻11号

1994年10月発行

文献概要

増刊号 これだけは知っておきたい検査のポイント 第5集 血液生化学検査 炎症マーカー

α1-アンチキモトリプシン

著者: 稲田進一1 諏訪昭1

所属機関: 1東京都立大塚病院リウマチ膠原病科

ページ範囲:P.40 - P.41

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検査の目的・意義
 α1-アンチキモトリプシン(α1-antichymotrypsin:α1-ACT)は7種類知られている血漿の蛋白分解酵素阻害因子蛋白の一つである.α1-ACT以外にはα2-マクログロブリン,別項のα1-アンチトリプシン,α2-プラスミンインヒビター,アンチトロンビンIII,そしてC1-アクチベーター,インター-α-トリプシンインヒビターなどが知られている.α1-ACTは1962年に,キモトリプシンによるフィブリン分解を阻害し,α1-グロブリン分画に存在する血清糖蛋白として発見されたものである.以前,α1X-グリコプロテインとよばれていたものと同一である.現在は全アミノ酸配列が決定されており,433個のアミノ酸からなる蛋白としてまず肝で合成される.ヒト血中には433個から25個のアミノ酸のシングルペプチド部分がはずれた408アミノ酸からなる蛋白が主として分泌され,これが血中のα1-ACTの90%を占めることになる.このアミノ酸のN末よりさらに15個のアミノ酸がとれた393個のminorα1-ACTも存在する.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1189

印刷版ISSN:0025-7699

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