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文献詳細

雑誌文献

medicina31巻11号

1994年10月発行

文献概要

増刊号 これだけは知っておきたい検査のポイント 第5集 血液生化学検査 窒素化合物

アンモニア

著者: 伏見了1 網野信行2

所属機関: 1大阪大学医学部附属病院臨床検査部 2大阪大学医学部臨床検査診断学

ページ範囲:P.65 - P.67

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血中アンモニア濃度測定の意義
 アンモニアは蛋白質およびアミノ酸の終末代謝産物として産生し,また摂取食物中の蛋白質およびアミノ酸の腸内細菌による分解にて産生し,門脈経由にて肝臓に運ばれ,尿素サイクルにより最終的に尿素として処理されている.したがって,肝臓機能の低下による尿素サイクル活性の低下,腸内におけるアンモニア産生の増加および門脈副血行枝による門脈血の大循環系への流入がある場合には,血中アンモニア濃度が高値となる.
 アンモニアは中枢神経系に強く作用する有害物質であり,肝臓機能の低下に伴い挙動や情動の変化および傾眠などの肝性脳症を呈する場合や,近年その有用性が認められ広く利用されている高カロリー輸液施行中の患者管理においても,定期的な血中アンモニア値の測定が必須である.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1189

印刷版ISSN:0025-7699

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