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文献詳細

雑誌文献

medicina31巻11号

1994年10月発行

文献概要

増刊号 これだけは知っておきたい検査のポイント 第5集 血液生化学検査 糖質および関連物質

インスリン受容体と抗インスリン受容体抗体

著者: 小田原雅人1

所属機関: 1筑波大学臨床医学系内科

ページ範囲:P.150 - P.151

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インスリン受容体
 糖尿病はインスリンの相対的な作用不足によって引き起こされるが,インスリンは標的細胞上の受容体に結合することにより,その作用を発現する.インスリン受容体は分子量135,000のαサブユニットと95,000のβサブユニットの2種の糖蛋白からなり,S-S結合によって四量体(β-α-α-β)として存在している.αサブユニットは細胞外に位置し,インスリン結合部位を有する.βサブユニットは細胞膜貫通部位(918-940番アミノ酸)を有し,インスリン作用の発現に重要な①チロシンキナーゼ領域(990-1247番)と,その中に存在するATP結合に重要な②Gly-X-Gly-X-X-Gly……Val-Ala-Val-Lysを持っている.インスリン受容体遺伝子の情報より,αサブユニットは719個(Ebinaらの報告では731個),βサブユニットは620個のアミノ酸よりなり,両サブユニットはArg-Lys-Arg-Argによって結ばれた一本鎖として生成された後,2つに切断されることが明らかになった.また,細胞外領域には糖鎖の結合部位が存在している.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1189

印刷版ISSN:0025-7699

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