icon fsr

文献詳細

雑誌文献

medicina31巻11号

1994年10月発行

文献概要

増刊号 これだけは知っておきたい検査のポイント 第5集 血液生化学検査 脂質・リポ蛋白

総コレステロール/エステル型コレステロール/LDLコレステロール

著者: 都島基夫1

所属機関: 1国立循環器病センター内科(動脈硬化代謝部門)

ページ範囲:P.171 - P.173

文献購入ページに移動
検査の目的・意義
 コレステロールは,リン脂質とともに細胞膜の構造脂質として重要な物質であり,またステロイドホルモンをはじめ,ホルモン産生の原料などとなる.
 コレステロールは大部分は肝臓で,一部は腸管,副腎皮質,皮膚,睾丸,大動脈などで合成される.血液中ではリポ蛋白(超低比重:VLDL,中間型:IDL,低比重:LDL)として存在し,全身の細胞に運ばれ,LDL(BE)レセプターから細胞内に取り込まれ利用される.残ったものは,肝臓内にLDL(BE)レセプターを通じて運ばれ代謝される.過剰のコレステロールは血管内皮細胞や細胞間隙を通過して,血管内膜で変性LDL,あるいはレムナント(IDL)としてスカベンジャーレセプターを介して単球由来のマクロファージ内に異物とみなされて取り込まれる.取り込まれた後,コレステロールオレイン酸エステルの液体結晶の形で蓄積して泡沫細胞化し,また一部はコレステロール結晶の形で粥状動脈硬化巣を形成する.このような蓄積したり余剰のリポ蛋白中のコレステロールの一部は高比重リポ蛋白(HDL)に取り込まれて運搬され,最終的には肝臓に運ばれ,胆汁酸などとなって,腸管内に排出される.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1189

印刷版ISSN:0025-7699

雑誌購入ページに移動
icon up
あなたは医療従事者ですか?