icon fsr

文献詳細

雑誌文献

medicina31巻11号

1994年10月発行

文献概要

増刊号 これだけは知っておきたい検査のポイント 第5集 血液生化学検査 脂質・リポ蛋白

中性脂肪(トリグリセライド)

著者: 山口一郎1 齋藤康1

所属機関: 1山形大学医学部臨床検査医学

ページ範囲:P.174 - P.175

文献購入ページに移動
検査の目的・意義
 近年数々の疫学調査によって,動脈硬化の進展に高脂血症が深くかかわり,治療により動脈硬化性疾患の発症を有意に抑制し得ることが明らかにされた.このような背景の下に,高脂血症を積極的に治療すべきだとの認識が医学界はもとより一般社会にも浸透し,中性脂肪はコレステロールとともに人間ドックや住民検診の基本検査項目にも組み込まれている.
 無症候者における中性脂肪検査の目的ならびに意義は,いうまでもなく脂質代謝異常のスクリーニングである.後述のように,中性脂肪はIIa型以外のすべての高脂血症で高値となるためにスクリーニング効果は大きい.しかし,原因の鑑別においては特異性に乏しく,別の情報が必要である.同じ理由からIIa型以外の高脂血症における治療効果判定に有用であり,高脂血症の管理に必須の検査である.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1189

印刷版ISSN:0025-7699

雑誌購入ページに移動
icon up
あなたは医療従事者ですか?