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文献詳細

雑誌文献

medicina31巻11号

1994年10月発行

文献概要

増刊号 これだけは知っておきたい検査のポイント 第5集 血液生化学検査 脂質・リポ蛋白

Lp (a)〔リポプロテイン(a)〕

著者: 久保信彦1 剛勇1 櫻林郁之介1

所属機関: 1自治医科大学大宮医療センター検査部

ページ範囲:P.184 - P.185

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検査の目的・意義
 Lipoprotein(a)〔Lp(a)〕はLDL類似の特異なリポ蛋白である(図1)1).Lp(a)の血中濃度は虚血性心疾患,脳梗塞など各種疾患で動脈硬化に関する指標の一つとして測定されるが,他の脂質値と関連がないことなどから,独立した動脈硬化の危険因子とされている.Lp(a)は電気泳動上の異常バンド(mid bandなどと呼ばれる)として1970年代から各種の動脈硬化症とLp(a)の関連が研究されてきた.最近,このリポ蛋白に特徴的なアポ蛋白であるapolipoprotein(a)〔アポ(a)〕の蛋白構造が解明されて,プラスミノゲン(Pg)と類似していることが明らかになった.Pgはフィブリン上などのPgレセプターと結合してプラスミンとなり,フィブリン(血栓)を溶解する.高分子糖蛋白であるアポ(a)を有するLp(a)は,PgとPgレセプターの結合を競合拮抗して阻害することにより,血栓形成を促進する方向に作用する可能性が示された2).動脈硬化巣の組織でLp(a)が存在することも確認されている.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1189

印刷版ISSN:0025-7699

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