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文献詳細

雑誌文献

medicina31巻11号

1994年10月発行

増刊号 これだけは知っておきたい検査のポイント 第5集

血液生化学検査 脂質・リポ蛋白

遊離脂肪酸

著者: 岡田映子1 中井継彦1

所属機関: 1福井医科大学第3内科

ページ範囲:P.186 - P.188

文献概要

検査の目的・意義
 血清中に存在する脂肪酸の多くはグリセロールエステル(トリグリセライドやリン脂質)やコレステロールエステルの形でリポ蛋白の構成成分となっている.一方,血清中の遊離脂肪酸(free fattyacid:FFA,またはnon-esterified fatty acid:NEFA)は,エステル化されないで脂肪酸そのままの形で存在する.リポ蛋白中のトリグリセライドは肝臓や腸管から末梢の脂肪組織や筋肉組織へと運ばれ,毛細血管壁上のリポ蛋白リパーゼ(LPL)により分解される.そして遊離脂肪酸は脂肪細胞に取り込まれ,トリグリセライドに再合成され蓄積される.蓄積されたトリグリセライドはホルモン感受性リパーゼにより分解され,遊離脂肪酸を放出する.脂肪組織から動員された遊離脂肪酸は,各末梢組織でエネルギー源として利用される.定常状態においては,ほとんどの組織はエネルギー供給の大半を遊離脂肪酸に依存している.血中では遊離脂肪酸の70〜87%がアルブミンと結合して存在する.血中遊離脂肪酸濃度は主として糖・脂質代謝状態を反映していると考えられるので,血中遊離脂肪酸の測定は糖尿病や高脂血症などの代謝性疾患の病態把握の一助となる.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1189

印刷版ISSN:0025-7699

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