icon fsr

文献詳細

雑誌文献

medicina31巻11号

1994年10月発行

文献概要

増刊号 これだけは知っておきたい検査のポイント 第5集 血液生化学検査 血液ガス・電解質・微量金属

血清鉄と鉄結合能

著者: 秋澤忠男1

所属機関: 1昭和大学藤が丘病院内科(腎臓)

ページ範囲:P.224 - P.225

文献購入ページに移動
検査の目的・意義
 鉄は体内に約4,000mg存在する微量元素で,そのうち約2/3がヘモグロビン内に含まれる.残り1/3のほとんどが,フェリチンやヘモジデリンなどの貯蔵鉄として肝臓,脾臓や骨髄の網内系に分布し,血漿中に存在する鉄はトランスフェリンと結合した約0.1%を占めるに過ぎない.トランスフェリンはβ1-グロブリン分画に含まれる分子量79,500の糖蛋白で,貯蔵鉄プールから骨髄の赤芽球に鉄を運搬する役割を演ずる.トランスフェリン1分子は鉄2原子を結合することから,血漿中のトランスフェリンが結合し得る鉄の総量を総鉄結合能(total iron binding capacity:TIBC)という.
 一方,健常人では通常トランスフェリンの持つTIBCの約1/3に鉄が結合しており,さらにトランスフェリンに結合し得る鉄の量を不飽和鉄結合能(unsaturated iron binding capacity:UIBC)と呼ぶ.したがって,
 UIBC=TIBC-血清鉄
の関係が成立する.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1189

印刷版ISSN:0025-7699

雑誌購入ページに移動
icon up
あなたは医療従事者ですか?