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文献詳細

雑誌文献

medicina31巻11号

1994年10月発行

文献概要

増刊号 これだけは知っておきたい検査のポイント 第5集 血液検査 凝固/線溶系検査

アンチトロンビンIII

著者: 山岸哲也1 新井盛夫1

所属機関: 1東京医科大学臨床病理

ページ範囲:P.319 - P.321

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検査の目的・意義
 アンチトロンビンIII(以下AT III)は肝で産生されるアミノ酸432個からなる分子量約56,000の一本鎖の糖蛋白である.凝固阻止因子として血液凝固反応が過度に進みすぎないよう調節的役割を担っており,トロンビン,活性化第X因子(以下FXa)をはじめ,血液凝固反応過程で生じるほとんどすべての活性化凝固因子(serine protease)と1対1の等モル比で結合して安定な複合体を形成することにより,それらを失活させる.この反応はヘパリンの存在下では著しく加速される(図1).
 AT IIIの検査法には,被検血漿中に存在する蛋白量として測定する免疫学的測定法と,検体中のAT IIIがどれだけの活性化凝固因子失活能をもつかという,機能面からとらえる活性測定法とがある.多くの場合,抗原量の低下は活性値の低下に反映される.最も頻繁に行われているものが,発色性合成基質を用いた活性測定法である(図2).

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1189

印刷版ISSN:0025-7699

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