文献詳細
増刊号 これだけは知っておきたい検査のポイント 第5集
血液検査 凝固/線溶系検査
TAT(トロンビン—アンチトロンビンⅢ複合体)
著者: 末久悦次1 網野信行2
所属機関: 1大阪大学医学部附属病院臨床検査部 2大阪大学医学部臨床検査診断学
ページ範囲:P.326 - P.327
文献概要
血栓の形成は,血管内の血液凝固亢進に伴ってトロンビンが生成され,フィブリノゲンからフィブリンへの転換で終末となる.この一連の反応の中で生成されたトロンビンそのものを検出できれば,この血管内における血栓形成の初期段階を把握することが可能となる.
しかし,血中には,トロンビンに対する生理的なインヒビターであるアンチトロンビンIII(ATIII)が存在し,血管壁に存在するヘパリン様物質を介して速やかに生成したトロンビンの活性を不活性化させるため,血中のトロンビンを直接測定することは困難である.
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