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文献詳細

雑誌文献

medicina31巻11号

1994年10月発行

文献概要

増刊号 これだけは知っておきたい検査のポイント 第5集 血液検査 凝固/線溶系検査

PAI-1(プラスミノゲンアクチベーターインヒビター1)

著者: 坂田洋一1

所属機関: 1自治医科大学血液医学研究部門止血血栓

ページ範囲:P.330 - P.331

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 血管内血栓は,プラスミノゲンアクチベーター(PA)により活性化されたプラスミンにより分解除去される.PAインヒビター1(PAI-1)はPAの生理的に最も重要な阻害因子であり,血栓溶解反応の開始点を制御する.健常人血中では,血漿中以外に血小板α顆粒中にPAI-1が存在する.採血した検体中では,PAI-1は,活性型(恐らくそのほとんどが血中ビトロネクチンと結合して存在している),PAとの複合体,活性が隠れてしまったフリーの“潜在型”など多彩な存在形態を示す.それぞれの形態のPAI-1を分けて測定することは実験室レベルでは可能である.
 しかし,たとえ完全な手技で採血されたとしても,例えば活性型は,室温で時間とともに潜在型に変化していくために,in vivoで果たして,どれくらいが活性型で存在するかを一般の臨床検体で測定することはほとんど不可能である.したがって,測定されるPAI-1値としては,総PAI-1量が現在までのところ最も実際的で,信頼できるものと考えられる.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1189

印刷版ISSN:0025-7699

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