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増刊号 これだけは知っておきたい検査のポイント 第5集 血液検査 凝固/線溶系検査
t-PA・PAI-1(組織プラスミノゲンアクチベーター・プラスミノゲンアクチベーターインヒビター1複合体)
著者: 三室淳1
所属機関: 1自治医科大学医学部血液医学研究部門止血血栓
ページ範囲:P.336 - P.337
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t-PAは血管内に生じた血栓の溶解反応を開始するプラスミノゲン活性化酵素である.t-PAはプラスミノゲンとともに血栓内のフィブリンに結合し,フィブリン分子の上でt-PAによりプラスミノゲンが活性化されてできたプラスミンがフィブリンを分解する.
PAI-1はt-PAの活性を阻害する生理的インヒビターで,それゆえ線溶反応の重要な制御因子の一つといえる.プラスミノゲンやα2-プラスミンインヒビターがほぼ一定の血中レベルに保たれるのに対し,駆血や運動で血液中のt-PA濃度が上昇し,PAI-1はエンドトキシンやサイトカインなどの刺激で血管壁での産生が著しく増加することから,線溶開始活性はこれらの因子の動的なバランスの上になりたっているといえる1).心筋梗塞の冠動脈血栓溶解療法などにt-PAが応用されるようになり,血液中の線溶状態を的確にモニターすることはますます重要になり,t-PA,PAI-1のバランスを知ることが求められている.
t-PAは血管内に生じた血栓の溶解反応を開始するプラスミノゲン活性化酵素である.t-PAはプラスミノゲンとともに血栓内のフィブリンに結合し,フィブリン分子の上でt-PAによりプラスミノゲンが活性化されてできたプラスミンがフィブリンを分解する.
PAI-1はt-PAの活性を阻害する生理的インヒビターで,それゆえ線溶反応の重要な制御因子の一つといえる.プラスミノゲンやα2-プラスミンインヒビターがほぼ一定の血中レベルに保たれるのに対し,駆血や運動で血液中のt-PA濃度が上昇し,PAI-1はエンドトキシンやサイトカインなどの刺激で血管壁での産生が著しく増加することから,線溶開始活性はこれらの因子の動的なバランスの上になりたっているといえる1).心筋梗塞の冠動脈血栓溶解療法などにt-PAが応用されるようになり,血液中の線溶状態を的確にモニターすることはますます重要になり,t-PA,PAI-1のバランスを知ることが求められている.
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