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文献詳細

雑誌文献

medicina31巻11号

1994年10月発行

文献概要

増刊号 これだけは知っておきたい検査のポイント 第5集 内分泌学的検査 甲状腺・副甲状腺

T4/free T4(サイロキシン/フリーサイロキシン)

著者: 竹岡啓子1 網野信行2

所属機関: 1大阪大学医学部附属病院臨床検査部 2大阪大学医学部臨床検査診断学

ページ範囲:P.371 - P.373

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検査の目的・意義
 サイロキシン(thyroxine:T4)は甲状腺ホルモンであり,甲状腺疾患患者の甲状腺機能を把握する目的で測定され,診断および治療のモニターに用いられている.
 T4は甲状腺の濾胞細胞から分泌され,その大部分は甲状腺ホルモン結合蛋白(thyroxine bindingprotein:TBP)と結合している.正常人ではT4の約0.03%が遊離型T4(free T4:FT4)として存在し,細胞内に移行してT3に転換され,核内T3レプターに結合することによりホルモンとしての生物学的作用を発揮する.T4はTBP濃度の影響を直接うけるが,FT4はTBP濃度に関係なく生体では一定に保持される.したがって,甲状腺機能の判定にはT4よりFT4測定のほうが理想的といえる.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1189

印刷版ISSN:0025-7699

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