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文献詳細

雑誌文献

medicina31巻11号

1994年10月発行

文献概要

増刊号 これだけは知っておきたい検査のポイント 第5集 内分泌学的検査 甲状腺・副甲状腺

サイログロブリン

著者: 葛谷信明1 金澤康徳1

所属機関: 1自治医科大学大宮医療センター内分泌代謝科

ページ範囲:P.380 - P.381

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検査の目的・意義
 サイログロブリン(Tg)は,甲状腺濾胞細胞でつくられる分子量66万の糖蛋白である.生合成されたTgは濾胞腔の中へexocytosisによって放出される.この経過中に,ペルオキシダーゼの作用によってTg分子中のチロシン基にヨード分子が結合して,ヨードチロシンやT4やT3が分子中に形成される.コロイド中に蓄えられたTgは,TSHなどの刺激が加わるとendocytosisが起こり,コロイド小滴として濾胞細胞内に再吸収され,リソゾームと融合して,その蛋白分解酵素によって甲状腺ホルモンが分離され血中に分泌される.一部のTgは,加水分解を受けずに血液中に分泌される.ほかに,濾胞細胞間を通ってのリンパ液中や血中への分泌も推定されている.
 血中Tg濃度の測定は,甲状腺にいくつかの疾患や病態が存在することを示す指標として有用である.血中Tg濃度は,TSHやBasedow病にみられる異常甲状腺刺激IgGによって甲状腺が刺激された状態で,分泌亢進により上昇がみられる.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1189

印刷版ISSN:0025-7699

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