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増刊号 これだけは知っておきたい検査のポイント 第5集 内分泌学的検査 甲状腺・副甲状腺
PTHrP(副甲状腺ホルモン関連蛋白)
著者: 佐藤幹二1
所属機関: 1東京女子医科大学内分泌疾患総合医療センター内科
ページ範囲:P.388 - P.392
文献購入ページに移動 PTHrP(parathyroid hormone-related protein,副甲状腺ホルモン関連蛋白)は悪性腫瘍に伴う高カルシウム血症(malignancy-associated hypercalcemia:MAH)の惹起因子として発見されたoncofetal proteinである.PTHrPは局所的に産生されて,元来paracrine的に作用している.しかし,腫瘍細胞で大量に産生されて血中に漏れ出てきた場合にはendocrine的に作用し,PTH receptorを刺激する結果,高カルシウム血症を惹起するに至る1).
最近,血中濃度を測定できるほど高感度な測定キットが開発されたおかげで,MAHの鑑別診断は迅速かっ確実になった2,3).しかし,PTHrPは全身いたるところの細胞で産生されており,決して癌細胞の特産物ではない.したがって,その性質をよく知らないと,データの解釈を間違える危険性もある.そこで本稿では,まずPTHrPの一般的性状を述べたあと,各測定キットの特徴,およびその臨床的意義について解説する.
最近,血中濃度を測定できるほど高感度な測定キットが開発されたおかげで,MAHの鑑別診断は迅速かっ確実になった2,3).しかし,PTHrPは全身いたるところの細胞で産生されており,決して癌細胞の特産物ではない.したがって,その性質をよく知らないと,データの解釈を間違える危険性もある.そこで本稿では,まずPTHrPの一般的性状を述べたあと,各測定キットの特徴,およびその臨床的意義について解説する.
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