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文献詳細

雑誌文献

medicina31巻11号

1994年10月発行

文献概要

増刊号 これだけは知っておきたい検査のポイント 第5集 腫瘍マーカー 消化器系

AFP(α-フェトプロテイン)

著者: 遠藤康夫1

所属機関: 1三楽病院内科

ページ範囲:P.450 - P.451

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検査の意義・目的
 胎生期の生理的血清蛋白であるAFP(α-フェトプロテイン)は,出生後はその産生が停止しており,健康成人・小児の血中AFP値は10ng/ml以下である.しかしながら,肝細胞癌,肝芽腫,ヨークザック(yolk sac)腫瘍などの際には,その産生が再開されるために血中AFPの増加が認められるようになる.これを指標に,これらの疾患の診断,病状経過の推移,治療効果の判定などが行われる.また,肝細胞癌発生の高危険度群と考えられているHBs抗原陽性あるいはHCV抗体陽性の肝硬変患者について,画像診断と併用して定期的に測定してゆくことにより,肝細胞癌の早期発見が可能となってきている.
 最近のAFP糖鎖の研究から,ヨークザック腫瘍,肝細胞癌および良性肝疾患などの際に出現するAFPの糖鎖に差のあることがわかってきている.レンズマメ・レクチン(LCA)あるいはインゲンマメ・レクチン(PHA-E4)を用いてAFPとレクチンの結合性を分析すると,肝硬変と肝細胞癌のAFP糖鎖に差が認められ,肝細胞癌の早期発見,予知に役立つことが報告されてきている.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1189

印刷版ISSN:0025-7699

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