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文献詳細

雑誌文献

medicina31巻11号

1994年10月発行

文献概要

増刊号 これだけは知っておきたい検査のポイント 第5集 腫瘍マーカー 消化器系

CA 50

著者: 川茂幸1 床尾万寿雄1 小口寿夫2

所属機関: 1信州大学医学部第2内科 2信州大学医学部人工腎臓部

ページ範囲:P.458 - P.459

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検査の目的・意義
 CA 50は,Lindholm1)により開発されたC50モノクローナル抗体によって認識される糖鎖抗原で,Nilsson2)によりsialyl Lewisaとsialyl Lewiscと同定された.sialyl Lewisaはよく知られているCA 19-9である.sialyl Lewiscはsialyl Lewisaの前駆体であり,フコースが結合することによりsialyl Lewisaに転換される(図1).また,このフコース転換酵素は,Lewis式血液型が陰性の症例では,欠落もしくは活性が非常に低いためCA19-9を合成できず,sialyl Lewiscが血中に蓄積することになる.したがって,CA50はLewis陰性の悪性疾患でも診断的有用性が認められるマーカーと認識されてきた.しかし,C50抗体はsialylLewisaに対する反応性がはるかに強く2),したがってCA 50は大部分がsialyl Lewisaであり,一部にsialyl Lewiscを含むとするのが正しい.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1189

印刷版ISSN:0025-7699

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