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文献詳細

雑誌文献

medicina31巻11号

1994年10月発行

文献概要

増刊号 これだけは知っておきたい検査のポイント 第5集 免疫学的検査 感染症関連検査 ウイルス抗原・抗体検査

ムンプスウイルス

著者: 中山哲夫1

所属機関: 1北里研究所ウイルス部

ページ範囲:P.546 - P.547

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検査の目的・意義
 流行性耳下腺炎の原因はムンプスウイルスの感染により,多くは幼児・学童期に発症する.一般的に症状は軽微に経過し,特徴的な耳下腺の腫脹を認める.また,成人に感染した場合には,睾丸炎を合併したり重症に経過する.ムンプスウイルスは中枢神経系に親和性があり,無菌性髄膜炎を起こすことが知られており,ムンプス罹患時には約50〜60%に髄液細胞増多を認め,10%に症状を伴う無菌性髄膜炎を合併し,耳下腺腫脹を認めずに発症する例もあり,無菌性髄膜炎の起因ウイルスの第1位を占めるものである.こうした性状は,弱毒化されているとはいえムンプス生ワクチンにも残っており,接種後に無菌性髄膜炎を合併することが知られている.
 ムンプス罹患後の重大な後遺症として突発性難聴が認められる.耳下腺腫脹の鑑別診断として化膿性耳下腺炎,唾液腺結石,その他パラインフルエンザ,コクサッキーウイルス感染などがあげられる.上記の合併症の症例でも耳下腺腫脹を認めずに発症する場合もあるため,確定診断に際してウイルス学的診断が必要とされる.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1189

印刷版ISSN:0025-7699

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