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文献詳細

雑誌文献

medicina31巻11号

1994年10月発行

文献概要

増刊号 これだけは知っておきたい検査のポイント 第5集 免疫学的検査 感染症関連検査 ウイルス抗原・抗体検査

単純ヘルペスウイルス

著者: 川名尚1

所属機関: 1東京大学医学部産婦人科(分院)

ページ範囲:P.556 - P.557

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感染病理
 単純ヘルペスウイルス(Herpes simplex virus:HSV)は,体の種々の部位に感染し,疾患を発症することもあるが,無症候に終わることも多い.HSV感染の特徴は,感染して,ひとたびヒトの体に入ると神経を伝って上行し,三叉神経節や仙骨神経節などの神経節に潜伏感染し,時々なんらかの刺激でこれが再活性化されて,再び神経を伝って下行し,皮膚・粘膜に病変を形成する,または病変は形成されずHSVのみが排泄されることである.したがって,疾患としては最初に罹患したとき(初感染)に発症する場合と,再活性化されたHSVが疾患をもたらす場合とに分かれる.このことは,特に血清抗体による診断に際して注意しなくてはならない.つまり,当該疾患がHSVの初感染によって惹起されているのか,HSVの再活性化によって惹起されているのかを知らないと,血清抗体を測定してみても正しい評価が難しい.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1189

印刷版ISSN:0025-7699

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