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文献詳細

雑誌文献

medicina31巻11号

1994年10月発行

増刊号 これだけは知っておきたい検査のポイント 第5集

免疫学的検査 自己免疫関連検査

抗Sm抗体

著者: 三森経世1

所属機関: 1慶應義塾大学医学部内科

ページ範囲:P.606 - P.607

文献概要

検査の目的・意義
 抗Sm抗体は,1966年にTanらによってSLE患者血清に最初に報告された自己抗体である.SLEの補助診断上重要な自己抗体であり,ARAのSLE分類改訂基準にも採用されている.もともとは二重免疫拡散法によって同定される沈降抗体であるが,受身血球凝集反応(PHA法)で検出されるRNase抵抗性抗ENA抗体も抗Sm抗体と同じものと考えてよい.
 抗Sm抗体の対応抗原は,mRNAのスプライシングに関与する核内低分子リボ核蛋白(U1,U2,U4/U6,U5 RNP)である(図1左).抗Sm抗体陽性例はほとんど常に抗U1 RNP抗体を併存する.また二重免疫拡散法では,抗U1 RNP抗体の沈降線は抗Sm抗体の沈降線に対して部分的に一致する.このことは,U1 RNP抗原がSm抗原の一部であり,両者の分子構造の共通性に基づくものと考えられる.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1189

印刷版ISSN:0025-7699

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