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増刊号 これだけは知っておきたい検査のポイント 第5集 免疫学的検査 自己免疫関連検査
抗Scl-70抗体
著者: 近藤啓文1
所属機関: 1北里大学医学部内科
ページ範囲:P.608 - P.609
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抗Scl-70抗体は1976年,Tanらにより強皮症に特異的に出現する沈降抗体として抗Scl-1抗体の名称で報告された抗核抗体の一種である.同じ頃,東條らは同抗体を抗Og抗体として報告した.この抗体の対応抗原は生化学的分析により家兎胸腺抽出物より精製され,70kDaの塩基性蛋白であることが報告された.それ以来,抗Scl-70抗体と呼ばれるようになった1).
その後,対応抗原に関する研究が進展し,抗体がDNA topoisomerase I(Topo I)活性を特異的に阻害することなどから,対応抗原がTopo Iであることが明らかになった2).これは,スーパーコイル構造をもつDNAの一本鎖に切断点を入れ,超らせん構造を弛緩させる作用をもつ酵素である.本抗体は強皮症以外の疾患ではほとんど検出されず,強皮症の病型や予後とも関連する抗体として臨床的意義の大きい抗核抗体である.
抗Scl-70抗体は1976年,Tanらにより強皮症に特異的に出現する沈降抗体として抗Scl-1抗体の名称で報告された抗核抗体の一種である.同じ頃,東條らは同抗体を抗Og抗体として報告した.この抗体の対応抗原は生化学的分析により家兎胸腺抽出物より精製され,70kDaの塩基性蛋白であることが報告された.それ以来,抗Scl-70抗体と呼ばれるようになった1).
その後,対応抗原に関する研究が進展し,抗体がDNA topoisomerase I(Topo I)活性を特異的に阻害することなどから,対応抗原がTopo Iであることが明らかになった2).これは,スーパーコイル構造をもつDNAの一本鎖に切断点を入れ,超らせん構造を弛緩させる作用をもつ酵素である.本抗体は強皮症以外の疾患ではほとんど検出されず,強皮症の病型や予後とも関連する抗体として臨床的意義の大きい抗核抗体である.
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