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文献詳細

雑誌文献

medicina31巻11号

1994年10月発行

文献概要

増刊号 これだけは知っておきたい検査のポイント 第5集 免疫学的検査 自己免疫関連検査

抗ミトコンドリア抗体

著者: 前田隆1 山本泰猛1

所属機関: 1高知医科大学第1内科

ページ範囲:P.628 - P.629

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検査の目的・意義
 抗ミトコンドリア抗体(anti-mitochondrial antibody:AMA)は,原発性胆汁性肝硬変(primary biliary cirrhosis:PBC)の診断に用いられる疾患特異性の高い自己抗体である.1965年,Walkerらが発見して以来,長らく不明であったAMAの対応抗原は,近年ミトコンドリア内膜に存在する酵素群,2-oxoacid dehydrogenase complex(2-OADC)であることが明らかにされた1)(図1).2-OADCのうち,最も高頻度に検出されるのはpyruvate dehydrogenase(PDH)complexに対する抗体であり,便宜的にAMAは抗PDH抗体とほぼ同義としても臨床的にはあまり問題はない.
 厚生省難治性の肝炎調査研究班の診断基準では,肝生検による組織学的な裏付けがなくとも,臨床的にPBCが考えられ,AMAまたは抗PDH抗体が陽性であればPBCと診断してもよいとしている.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1189

印刷版ISSN:0025-7699

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