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文献詳細

雑誌文献

medicina31巻11号

1994年10月発行

文献概要

増刊号 これだけは知っておきたい検査のポイント 第5集 免疫学的検査 自己免疫関連検査

抗平滑筋抗体

著者: 篠村恭久1

所属機関: 1大阪大学医学部第2内科

ページ範囲:P.630 - P.631

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検査の目的・意義
 抗平滑筋抗体は最初に慢性活動性肝炎患者の血清中に発見された平滑筋に反応する自己抗体である.その後,本抗体はさまざまな臓器の細胞と反応することが示され,本抗体の対応抗原は細胞骨格構成蛋白であることが明らかにされている.本抗体は自己免疫性肝炎で血液中に高力価,高頻度に陽性になるため,この疾患の診断の一助として用いられる.自己免疫性肝炎は女性に多く,自己免疫性機序により肝炎が慢性に持続する疾患であり,本抗体のほか,抗核抗体,抗肝細胞膜抗体や肝腎ミクロゾーム抗体などの自己抗体が出現することが知られている.SLEでは,肝障害を伴っていても通常抗平滑筋抗体がほとんど検出されないことから,本抗体の測定は自己免疫性肝炎とSLEの鑑別診断に有用とされる.
 自己免疫性肝炎で出現する抗平滑筋抗体は,主に細胞骨格のミクロフィラメントの構成成分であるアクチンであることが知られている1).一方,本抗体は他の肝疾患やウイルス感染でも低力価ながらしばしば陽性になるが,これらの疾患で出現する本抗体は中間径フィラメントやミクロチュブルスに対する抗体といわれる.抗アクチン抗体の測定が自己免疫性肝炎に特異性が高いことが報告されている3)

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1189

印刷版ISSN:0025-7699

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