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文献詳細

雑誌文献

medicina31巻11号

1994年10月発行

文献概要

増刊号 これだけは知っておきたい検査のポイント 第5集 免疫学的検査 細胞性免疫検査

CD 4・CD 8細胞マーカー

著者: 大川洋二1

所属機関: 1東京医科歯科大学医学部小児科

ページ範囲:P.662 - P.663

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検査の目的・意義
 リンパ球のCD 4,CD 8の検査は,細胞性免疫能を数の上から検討するのに有効である.すなわちCD 4陽性細胞はhelper/inducer細胞を示し,CD 8陽性細胞はsuppressor/cytotoxic細胞を示している.その機能はCD 4陽性細胞ではHLAclass IIとともに抗原を提示する細胞に反応し,B細胞の抗体産生やキラーT細胞の誘導,マクロファージの活性化を促す.またHLA class IIを発現している標的細胞に対して細胞障害能を示すものもある.CD 4陽性細胞でCD 45 RA陽性細胞はnaiveT細胞,CD 45 RO陽性細胞はmemory T細胞である.CD 62 L陽性細胞は抗原刺激を受ける前のCD 4陽性細胞である.さらにサイトカイン産生能の上からTh 0,Th 1,Th 2に分類されている.Th 1細胞はIL-2,IFN-γを産生し,Th 2はIL-4,IL-5,IL-6,IL-10を産生し,Th-0はその両者を産生している.
 CD 8細胞はclass I MHC,あるいはそれと抗原との組み合わせを提示する細胞と反応して,細胞障害能を示したり,B細胞からの免疫グロブリンの産生を抑制する.CD 8弱陽性の細胞でCD 3が陰性のものにはNK細胞,LAK細胞が含まれている.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1189

印刷版ISSN:0025-7699

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