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文献詳細

雑誌文献

medicina31巻11号

1994年10月発行

文献概要

増刊号 これだけは知っておきたい検査のポイント 第5集 免疫学的検査 サイトカイン

IL-8

著者: 向田直史1

所属機関: 1金沢大学がん研究所薬理部

ページ範囲:P.686 - P.687

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 IL-8は,好中球・好塩基球・Tリンパ球に対して走化活性を有するのみならず,接着因子発現の増強やリゾチーム酵素・活性酸素の放出を誘導するなど,好中球の活性化にも働くサイトカインである1)(図1).いくつかの炎症モデルにおいては,抗IL-8抗体を投与することによって好中球依存性の組織傷害が予防できることから2),炎症反応,なかでも急性期の好中球依存性に起きる組織傷害の成立に大きな役割を果たしていると考えられている.
 IL-8に対する酵素免疫測定法3)が,筆者らのグループをはじめとするいくつかのグループによって開発され,いくつかは市販されている.これらの測定系を用いることによって,好中球増多あるいは局所への好中球浸潤を伴う疾患において,血中あるいは局所の体液中でのIL-8濃度の上昇が報告されている(表1)4).血中などにおけるIL-8の動態は,炎症性刺激に応じて速やかに上昇することから,急性期相反応物質の範疇にも入ると考えられる.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1189

印刷版ISSN:0025-7699

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