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増刊号 これだけは知っておきたい検査のポイント 第5集 免疫学的検査 サイトカイン
IL-8
著者: 向田直史1
所属機関: 1金沢大学がん研究所薬理部
ページ範囲:P.686 - P.687
文献購入ページに移動 IL-8は,好中球・好塩基球・Tリンパ球に対して走化活性を有するのみならず,接着因子発現の増強やリゾチーム酵素・活性酸素の放出を誘導するなど,好中球の活性化にも働くサイトカインである1)(図1).いくつかの炎症モデルにおいては,抗IL-8抗体を投与することによって好中球依存性の組織傷害が予防できることから2),炎症反応,なかでも急性期の好中球依存性に起きる組織傷害の成立に大きな役割を果たしていると考えられている.
IL-8に対する酵素免疫測定法3)が,筆者らのグループをはじめとするいくつかのグループによって開発され,いくつかは市販されている.これらの測定系を用いることによって,好中球増多あるいは局所への好中球浸潤を伴う疾患において,血中あるいは局所の体液中でのIL-8濃度の上昇が報告されている(表1)4).血中などにおけるIL-8の動態は,炎症性刺激に応じて速やかに上昇することから,急性期相反応物質の範疇にも入ると考えられる.
IL-8に対する酵素免疫測定法3)が,筆者らのグループをはじめとするいくつかのグループによって開発され,いくつかは市販されている.これらの測定系を用いることによって,好中球増多あるいは局所への好中球浸潤を伴う疾患において,血中あるいは局所の体液中でのIL-8濃度の上昇が報告されている(表1)4).血中などにおけるIL-8の動態は,炎症性刺激に応じて速やかに上昇することから,急性期相反応物質の範疇にも入ると考えられる.
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