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文献詳細

雑誌文献

medicina31巻11号

1994年10月発行

文献概要

増刊号 これだけは知っておきたい検査のポイント 第5集 免疫学的検査 サイトカイン

TNF(腫瘍壊死因子)

著者: 川上正舒1

所属機関: 1自治医科大学附属大宮医療センター総合医学I

ページ範囲:P.688 - P.689

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検査の目的・意義
 TNF(tumor necrosis factor)は癌細胞を選択的に壊死させるサイトカインとして発見されたが,現在ではその作用は腫瘍細胞のみならず,免疫系,中枢神経系,血管,肝臓,脂肪組織を含む全身の正常な組織・器官に及び,またその作用も極めて多彩であることが知られている1).これらの作用の中には免疫反応や炎症反応を促進するものが多く,いわゆる生体防御に重要な役割を持つと考えられているが(図1),同時に感染や免疫反応を原因とする疾患の多くに関わりを持つことも推測され,感染症,癌,自己免疫性疾患患者において,血液,髄液,尿,腹水,関節液中のTNFが測定されている.しかし,生体材料中のTNF濃度は極めて低く,これを測定するには十分な感度を持つ方法がないことと,TNFはホルモンとして血中を循環するだけでなく,分泌局所における作用が重要であることから,TNFの測定は現在のところ研究目的が主であり,日常臨床における測定の意義は未だ確立されていない.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1189

印刷版ISSN:0025-7699

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