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文献詳細

雑誌文献

medicina31巻11号

1994年10月発行

文献概要

増刊号 これだけは知っておきたい検査のポイント 第5集 一般検査 尿検査

尿ビリルビン

著者: 神谷康司1 中林公正1

所属機関: 1杏林大学医学部第1内科

ページ範囲:P.739 - P.741

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検査の目的・意義
 間接(非抱合)ビリルビンは,その80%は老化赤血球の破壊によって生じるヘモグロビンに由来し,網内系で生成される.残りの20%は,老化赤血球以外のヘモグロビン合成に関連する過程や骨髄での赤血球破壊,無効造血,さらにミオグロビンなどのヘム蛋白から生成される(シャントビリルビン).この間接ビリルビンは,アルブミンと結合した非水溶性の状態で肝細胞に取り込まれ,グルクロン酸抱合を受け,水溶性の直接(抱合)ビリルビンとなり,胆汁中へ排泄される.肝細胞障害性黄疸や閉塞性黄疸では,直接ビリルビンが血中に逆流するが,その値が2.0〜3.0 mg/dl以上となれば,尿中に排泄される.しかし,溶血性黄疸などで上昇する間接ビリルビンは,アルブミンと結合しているため血中で高値になっても尿中には排泄されない.尿ビリルビン検査は黄疸の診断・鑑別に重要な検査である.また,すでに診断の確定した尿ビリルビン陽性患者においては,経過判定に利用し得る.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1189

印刷版ISSN:0025-7699

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