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文献概要
増刊号 これだけは知っておきたい検査のポイント 第5集 病理検査
病理診断における電子顕微鏡の応用
著者: 覚道健一1 宇都宮洋才1
所属機関: 1和歌山県立医科大学第2病理
ページ範囲:P.773 - P.777
文献購入ページに移動臨床における電子顕微鏡の有用性
電子顕微鏡が研究目的のみならず日常の病理診断に用いられるようになって久しい.近年は免疫組織化学の進歩により,この2つの解析法が形態的な診断の中心的役割を担っている.特に腫瘍の病理診断においては広い範囲を検索できる免疫組織化学を用い,多くの症例で光顕レベルで十分診断が可能となってきた.腫瘍の病理診断ではその腫瘍細胞の起源,例えば上皮性か非上皮性かを明らかにすることが最も大切なことであり,その目的で種々の免疫染色を施行する.しかし,免疫組織化学的検索では,結果判定が困難な場合にしばしば遭遇する.すなわち,陽性か陰性か判然としない場合や,偽陽性,偽陰性の場合などである.その点,電顕による検索では細胞内外の小器官の有無や発達の程度を知ることが診断の助けとなることが多い.以下に具体例をあげて解説する.
電子顕微鏡が研究目的のみならず日常の病理診断に用いられるようになって久しい.近年は免疫組織化学の進歩により,この2つの解析法が形態的な診断の中心的役割を担っている.特に腫瘍の病理診断においては広い範囲を検索できる免疫組織化学を用い,多くの症例で光顕レベルで十分診断が可能となってきた.腫瘍の病理診断ではその腫瘍細胞の起源,例えば上皮性か非上皮性かを明らかにすることが最も大切なことであり,その目的で種々の免疫染色を施行する.しかし,免疫組織化学的検索では,結果判定が困難な場合にしばしば遭遇する.すなわち,陽性か陰性か判然としない場合や,偽陽性,偽陰性の場合などである.その点,電顕による検索では細胞内外の小器官の有無や発達の程度を知ることが診断の助けとなることが多い.以下に具体例をあげて解説する.
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