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文献詳細

雑誌文献

medicina31巻13号

1994年12月発行

文献概要

これからの医療と医療制度・12

療養環境とアメニティ

著者: 寺崎仁1

所属機関: 1日本大学医学部医療管理学

ページ範囲:P.2674 - P.2675

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 2年ほど前のことと思うが,東京都心のある病院が全病室を個室にして新築したと随分話題になった.それも半数の病室は差額の負担無しということで,週刊誌にも取り上げられ,「どうすれば入院できるのか」など,一般の人々にも大きな関心を呼んだ経緯がある.このように,最近では良質な医療サービス,とりわけ快適な入院生活が送れるよう病院の療養環境に対する国民の関心が高まってきており,「アメニティ」という言葉も一般的に使われるようになってきた.
 「アメニティ」(amenity)とは「快適さ」とか「心地よさ」と訳されるが,昔は一種の「贅沢」と考えられていたものである.しかし,近年では国民の生活水準も向上し,従来は高価で贅沢と思われていたさまざまなサービスが,日常生活でもごく普通に買えるようになり,国民は経済的な豊かさを随分と享受できるようになった.そして,日常生活における質的なレベルの高さと比較して,病院をはじめとする医療施設での療養環境が,余りにも時代遅れで貧相であることに国民が不満を持つようになってきたのである.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1189

印刷版ISSN:0025-7699

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