medicina31巻3号

1994年03月発行

今月の主題 臨床医のための血液疾患の理解 知っておくべき基礎知識

染色体検査と遺伝子解析の利用方法

著者： 平井久丸¹

所属機関： ¹東京大学医学部第3内科

ページ範囲：P.486 - P.488

ポイント
●染色体検査や遺伝子解析は単クローン性疾患に対して有力な解析方法である．血液悪性腫瘍も他の悪性腫瘍と同様に単クローン性疾患である．
●白血病に対する遺伝子診断のなかで最も有用性が示されているものは，転座型白血病に対する遺伝子診断である．転座型白血病では，染色体転座によって転座点近傍の癌遺伝子などを活性化して白血病の発症に関与すると考えられている．
●遺伝子診断は診断のほか，微量残存白血病細胞の検出，治療効果や予後の判定に役立つことが示されている．