icon fsr

文献詳細

雑誌文献

medicina31巻4号

1994年04月発行

文献概要

今月の主題 First-line検査 異常症状からみたFirst-line検査

Raynaud症状

著者: 井上哲文1

所属機関: 1東京大学医学部物療内科

ページ範囲:P.758 - P.759

文献購入ページに移動
ポイント
●Raynaud症状(Raynaud's phenomenon)は,寒冷刺激や精神的緊張に由来する手指の血管攣縮によってもたらされる.
●症状は主に近位指節関節より末梢部位に生じ,皮膚の色調はまず蒼白に,そして紫色に変化する.さらに,回復過程では充血によって潮紅することが多い.血管攣縮を生じている間は,手指は冷たく,知覚鈍麻や疼痛を有することも少なくない.
●Raynaud症状は,手指だけでなく足趾にも生ずる.また稀ではあるが,鼻尖,耳朶,舌に及ぶこともある.
●基礎疾患を有する頻度は高く,その診断の契機となる症状ではあるが,これを有しないRaynaud病(primary Raynaud's phenomenon)に留意する必要がある.
●基礎疾患としては,各種膠原病,時に進行性全身性硬化症(PSS),混合性結合組織病(MCTD),全身性エリテマトーデス(SLE)の頻度が高い.これらの疾患においては,Raynaud症状がその他の皮膚症状,臓器症状,臨床検査異常に先行することも稀ではない.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1189

印刷版ISSN:0025-7699

雑誌購入ページに移動
icon up

本サービスは医療関係者に向けた情報提供を目的としております。
一般の方に対する情報提供を目的としたものではない事をご了承ください。
また,本サービスのご利用にあたっては,利用規約およびプライバシーポリシーへの同意が必要です。

※本サービスを使わずにご契約中の電子商品をご利用したい場合はこちら