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文献詳細

雑誌文献

medicina31巻4号

1994年04月発行

文献概要

今月の主題 First-line検査 よくみる異常所見へのFirst-line検査

CEA,CA 19-9

著者: 田所洋行1 渡辺伸一郎1 竹内正1

所属機関: 1東京女子医科大学消化器内科

ページ範囲:P.801 - P.803

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ポイント
●CEA,CA 19-9は臓器特異性が低く,いろいろな悪性腫瘍において上昇を示す腫瘍マーカーである.CEAは大腸癌をはじめとする消化器癌で高い陽性率を示すほか,肺癌,子宮癌,乳癌で陽性を示す(表1).CA 19-9は膵癌,胆道癌を中心として,大腸癌,胃癌,食道癌,乳癌,卵巣癌で陽性を示す(表2).
●現在,腫瘍マーカーと呼ばれている多くのものは,癌特異性物質ではないため,悪性疾患のみならず,良性疾患でも陽性を示す.CEAでは急性肝炎,慢性肝炎,肝硬変,急性膵炎,慢性膵炎,胃潰瘍,高齢者,喫煙者で偽陽性を示し,CA 19-9では閉塞性黄疸,急性膵炎,慢性膵炎,肝硬変,胆石,糖尿病で偽陽性を示す.
●CEA,CA 19-9は検診などで用いられているが,一般的には早期発見には役立たない.画像診断と組み合わせることによって診断能の向上を図ることができる(表3).
●CEA,CA 19-9はともに病期の進行に伴って陽性率の上昇,値の上昇を認める.このため,腫瘍マーカーの上昇がみられた場合,治療後の効果判定,再発のモニターとして有用である(表4).

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1189

印刷版ISSN:0025-7699

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