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図解 病態のしくみ—遺伝子・サイトカインからみた血液疾患・4
多発性骨髄腫
著者: 中島秀明1
所属機関: 1慶應義塾大学医学部内科
ページ範囲:P.842 - P.847
文献購入ページに移動 ●はじめに 骨髄腫は,骨髄での形質細胞の腫瘍性増殖を本体とする疾患であり,一般に表1に示す5型に分類される.多発性骨髄腫は,骨髄での形質細胞の増加,血清・尿中の単クローン性蛋白の存在,骨融解性病変,腎機能障害,造血障害,免疫不全などを特徴とする骨髄腫の一亜型である.その頻度は,人口10万人あたり約0.95人で男性にやや多く,圧倒的に40歳以降の高齢者に多い.
骨髄腫の病態に関する生物学的・分子生物学的な解析は白血病に比べて遅れていたが,近年になり骨髄腫細胞の主要な増殖因子がIL-6であり,骨髄腫細胞はIL-6受容体を発現しているのみならず,それ自身がIL-6を産生していることが明らかにされた.また,治療面ではこれまでのMelphalan-Prednisolone(MP)療法主体の姑息的化学療法から,インターフェロン,サイトカイン,自家骨髄移植を用いた,長期寛解・治癒をめざした治療法が広がりつっある.ここでは,B細胞悪性腫瘍としての骨髄腫の病態・治療法を中心に述べて行きたい.
骨髄腫の病態に関する生物学的・分子生物学的な解析は白血病に比べて遅れていたが,近年になり骨髄腫細胞の主要な増殖因子がIL-6であり,骨髄腫細胞はIL-6受容体を発現しているのみならず,それ自身がIL-6を産生していることが明らかにされた.また,治療面ではこれまでのMelphalan-Prednisolone(MP)療法主体の姑息的化学療法から,インターフェロン,サイトカイン,自家骨髄移植を用いた,長期寛解・治癒をめざした治療法が広がりつっある.ここでは,B細胞悪性腫瘍としての骨髄腫の病態・治療法を中心に述べて行きたい.
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