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雑誌目次

雑誌文献

medicina31巻5号

1994年05月発行

雑誌目次

今月の主題 外科から内科へのメッセージ Editorial

外科医の経験は外科手術の適応決定にどう影響するか

著者: 出月康夫

ページ範囲:P.886 - P.888

ポイント
●多くの疾患において,今日,外科治療は多岐にわたる治療法の中の選択肢の1つであることを銘記すべきである.
●外科治療の適応決定は多くの要因に左右されるが,外科医が適応を下す場合,外科医としての「手術の経験」よりも「総合的な臨床経験」が大きく影響する.
●しかし,外科治療の適応決定に本質的な影響を及ぼすのは,手術方法,手術器機の進歩を含めた総合的な外科治療の成績であり,また外科治療以外の治療法の進歩である.
●それ故,外科医は基本的な手術手技はもちろん,正常と異常の区別,外科治療に関連する他領域の知識や技術の習得を常に心がけるべきである.

高齢者の外科手術はどこまで可能か

著者: 中山夏太郎

ページ範囲:P.889 - P.891

ポイント
●創傷治癒の点からみると90歳台でも特に大きな欠陥はなく,胃全摘や膵頭十二指腸切除など大侵襲手術も可能である.
●長期成績からは,乳癌・ヘルニア・痔疾など非開腹手術は全く問題なく,開腹術でも胆摘・結腸切除は大いに勧めて良い.
●重篤な合併症のない限り,超高齢者にもQOL維持のために積極的に手術を勧めるべきである.

内視鏡下外科手術の現況と問題点

進歩する内視鏡下手術とその功罪

著者: 山川達郎 ,   石川泰郎 ,   酒井滋 ,   加納宣康

ページ範囲:P.893 - P.898

ポイント
●胆石症の治療法としての腹腔鏡下胆嚢摘出術は,術中の侵襲も少なく,術後の鎮痛剤の使用も少なくて済み,術後第1日目からの食事摂取,早期離床,早期社会復帰などが可能であることから,今日では定型的術式としての地位を不動のものにしている.
●しかし,他臓器損傷や出血などの合併症も起こり得るため,施行者は腹腔鏡や胸腔鏡による検査法,一般的な開胸・開腹手術手技や周術期管理,合併症の治療法,腹腔鏡下にみる解剖学や機器類の使用法に精通していなければならない.
●胆嚢摘出術以外の腹腔鏡下手術としては,現在,鼠径ヘルニア修復,癒着剥離,虫垂切除,迷走神経切離,腸切除,潰瘍穿孔部修復,胃部分切除,肝嚢胞造窓,胃瘻造設などが行われている.
●しかし,腹腔鏡下手術を適応する場合には,それが従来の手術に比し理論的に正しく,それにより,より良き成績が得られるものでなければならない.真に適応すべき症例に試みて初めて意義のある手術法である.

胆石症と胆嚢ポリープ

著者: 木村泰三 ,   桜町俊二 ,   原田幸雄

ページ範囲:P.899 - P.901

ポイント
●腹腔鏡下胆嚢摘出術は,腹腔鏡観察下にトラカール孔より入れた手術器具を用いて胆嚢を摘出する手術である.
●創の小さいことによる利点は大きく,胆石症と胆嚢ポリープに対する標準術式となりつつある.
●問題点は,すべての症例で施行できるわけではないことと,本法を始めて初期の術者には合併症の多い手術であることである.
●合併症としては,胆管損傷,血管損傷,腸管損傷などがあり,永続的障害を残すこともある.
●トレーニングシステムを確立し,安全性の向上を第1と考えた手技を行うことが望まれる.

食道表在癌

著者: 幕内博康 ,   三富利夫

ページ範囲:P.902 - P.904

ポイント
●食道粘膜癌の発見例が急増しているが,m1〜2の深達度ではリンパ節転移や脈管侵襲がなく,EMRの適応と考えられる.
●食道のEMRは食道内腔が狭く,動きが激しく,漿膜を欠いていて,なかなか困難である.
●食道のEMRの術式,特にEEMR-tube法を紹介する.
●深達度m3〜sm1も全身状態により適応としてよい症例がある.
●長径3cmくらいが一括切除の限界である.
●m2かm3か迷う場合はEMRを行って組織を確かめる.
●合併症として食道穿孔,動脈性出血,食道狭窄などに注意しなければならない.

早期胃癌

著者: 大上正裕 ,   北島政樹

ページ範囲:P.905 - P.907

ポイント
●早期胃癌のなかでも深達度が粘膜内にとどまる胃粘膜癌では,リンパ節転移の確率は数%であるが,胃粘膜癌のうち,正しく適応を設定することによりリンパ節転移のない症例群の選択が可能である.
●胃粘膜癌と診断されたもののうち,隆起性病変(IIa)では長径25mm以下,陥凹性病変(IIc)では15mm以下でul(-)のものには,まずリンパ節転移はないと考えられ,病変の確実な局所切除により根治が得られる.
●これらの適応を満たしたものに対する腹腔鏡下の病変の切除術には,胃壁の全層を切除する腹腔鏡下胃局所切除術と粘膜および粘膜下層を切除する腹腔鏡併用胃内粘膜切除術があり,どちらも根治性,低侵襲性,臓器温存性を併せ持つ.
●これらの腹腔鏡下手術は,内視鏡的粘膜切除術(EMR)と比較して,病変の辺縁より10mm以上離した確実な切除が行えることが最大の利点であり,長径10mm以上の比較的大きな胃粘膜癌の治療に有用である.

大腸の早期癌

著者: 沢田俊夫 ,   河村裕 ,   武藤徹一郎

ページ範囲:P.908 - P.911

ポイント
●腹腔鏡下手術は従来の外科手術手技と全く異なった新しい手技である.
●手術操作は正しい外科解剖学的な層で行うことが重要である.
●大腸に対する腹腔鏡下手術には,①腹腔鏡下大腸切除術(intracorporeal operation)と,②腹腔鏡補助下大腸切除術(extracorporeal operation),③腹腔鏡補助下小切開大腸切除術がある.
●視野の展開には,①気腹法と②吊り上げ式,あるいは③両者を併用する方法がある.
●腹腔鏡下大腸切除術の適応は大腸部分切除(楔状切除)に限られる.
●大腸切除は腹腔鏡補助下大腸切除術で行われる.
●吊り上げ式腹腔鏡補助下小切開大腸切除術は大腸リンパ節郭清術(R2)を可能にした.

腹腔鏡下消化管切除術

著者: 村井隆三 ,   伊坪喜八郎

ページ範囲:P.913 - P.916

ポイント
●腹腔鏡下消化管切除術の対象疾患は主に良性疾患であるが,早期胃癌,大腸癌については,粘膜内にとどまるもの(深達度m)は積極的に腹腔鏡下消化管切除術が行われるようになりつつある.しかし,粘膜下層に達するもの(深達度sm)については,いまだ議論の多いところである.
●消化管切除術の方法としては,胃楔状切除術,憩室切除術などは自動縫合器を用い,腹腔鏡下操作のみで可能である.再建を伴う胃切除術,大腸切除術では,すべてを腹腔鏡下に行うことは煩雑で時間がかかり,小開腹を併用した腹腔鏡補助下手術が現時点では有効な方法である.
●腹腔鏡下胃粘膜切除術として,腹腔鏡下に直接胃内にアプローチし,胃粘膜切除縫合術も試みられている.

自然気胸

著者: 河野匡 ,   古瀬彰

ページ範囲:P.917 - P.920

ポイント
●自然気胸のような胸腔内操作が比較的単純な手術は胸腔鏡手術の良い適応で,また胸腔鏡手術は自然気胸の外科治療の第一選択である.
●胸腔鏡下の自然気胸の手術でも安全で十分な手術のためには全身麻酔を用いることが多い.
●気胸の原因となっている嚢胞などの病変を胸腔鏡下に切除あるいは縫縮する.
●胸腔鏡下手術による自然気胸の手術でも基礎疾患によっては高度な技術を必要とする.
●胸腔鏡下の自然気胸の手術に特有の合併症はない.

肺良性腫瘍

著者: 山口明 ,   篠永真弓 ,   中山健司

ページ範囲:P.922 - P.924

ポイント
●肺良性腫瘍は術前から診断が明らかであれば,小範囲切除で済むことが多い.周囲肺組織との境界が明瞭で剥離が容易な腫瘍では最小単位の手術として核出術が行われる.
●通常は肺部分切除が行われ,それ以上の場合は区域切除や,さらに大きい場合は肺葉切除を必要とすることもあるが稀である.
●最近,胸腔鏡を用いた手術が安全,かつ比較的容易に施行できるようになり,さらに小さな創での手術が可能となった.
●肺良性腫瘍は胸腔鏡手術のまさに最適な対象疾患の1つといえ,今後,胸腔鏡下切除術が基本術式となろう.

腎・副腎摘出術

著者: 小野佳成 ,   大島伸一

ページ範囲:P.925 - P.929

ポイント
●腹腔鏡下腎摘出術,腹腔鏡下根治的腎摘出術,腹腔鏡下副腎摘出術ともに臨床応用が開始されて2〜3年しか経過しておらず,現在,その有用性,安全性が検討されている段階にある.
●腎・副腎の摘出術は,開腹手術では大きな皮膚,筋組織の切開が必要とされるため,手術後の入院期間は2〜4週間,手術後の完全社会復帰までに1〜3カ月を要するが,腹腔鏡下手術では切開を必要としないために,入院期間は1〜2週間,完全社会復帰までの期間も2週間から1カ月と大幅な短縮が可能である.
●腎・副腎に対する腹腔鏡下手術はminimally invasive surgeryであり,今後期待される手術である.

前立腺肥大症と前立腺癌

著者: 田島惇

ページ範囲:P.930 - P.932

ポイント
●経尿道的前立腺切除術(TUR-P)は,今日でも前立腺肥大症の手術治療の大変優れた標準として位置づけられている.
●内視鏡の観察の下に肥大した前立腺組織に対して,レーザーを照射する方法が普及しつつある.本法では出血がほとんどないのが特徴である.
●前立腺癌による尿道の閉塞を解除するため,癌組織をTUR-Pにより姑息的に切除することがある.
●前立腺癌のステージを正しく判定するため,腹腔鏡下骨盤内リンパ節切除は大変有用であり,本法は侵襲も少なく,確立された診断法となりつつある.

膀胱腫瘍

著者: 松田公志

ページ範囲:P.934 - P.935

ポイント
●膀胱腫瘍は表在癌と浸潤癌で治療方法が大きく異なり,診断にはCTなどの画像診断とともに内視鏡下生検が不可欠である.
●表在癌は通常,経尿道的膀胱腫瘍切除術(TUR-Bt)で治療できるが,膀胱内再発と浸潤癌への移行が問題である.再発予防には膀胱内注入療法が行われる.
●浸潤癌は根治的膀胱全摘除術の適応であるが,予防改善のために集学的治療が行われるようになり,さらに術後のQOL向上のために新しい尿路変更法が開発されている.

尿路結石

著者: 松本哲朗 ,   佐久本操

ページ範囲:P.936 - P.939

ポイント
●尿路結石に対する体外衝撃波砕石術(ESWL)および内視鏡手術などの非観血的治療の適応は,自然排石困難な結石,結石が腎機能低下の原因となる場合,尿路感染を併発した場合,血尿や疝痛発作など症状を有する場合などである.
●侵襲の少ないESWLが尿路結石治療の主流となり,多くの結石に適応できるが,ESWLの困難な場合,経皮的腎砕石術(PNL),経尿道的腎尿管砕石術(TUL)などの内視鏡的治療が用いられる.

婦人科疾患

著者: 関賢一 ,   林保良 ,   吉岐潤子

ページ範囲:P.940 - P.943

ポイント
●婦人科領域で手術目的に使われる内視鏡は,主に腹腔鏡と子宮鏡である.
●腹腔鏡では,卵管避妊,不妊症治療,良性卵巣腫瘍,子宮筋腫,子宮外妊娠手術などが行われている.最近は悪性腫瘍,尿失禁などに対する治療も始められてきた.
●子宮鏡で行うTCR(transcervical resection)は,粘膜下筋腫,子宮奇形,内膜ポリープ,子宮腔癒着などが適応となる.
●貧血,腹痛が主訴のときは,婦人科疾患の検索が大切である.
●内視鏡下手術は,美容的観点のみならず,手術の侵襲度が低く,入院日数の短縮ができるなど,今後,有用な手術方法といえる.

進歩・向上した外科手術

冠動脈バイパス手術

著者: 須磨久善

ページ範囲:P.945 - P.947

ポイント
●初回待機CABGの手術成績は向上し,安全な手術といえる域に達しつつある.
●動脈グラフトの使用により長期にわたる冠血行再建効果が期待できる.
●再手術例が増加しつつあり,手術手技の工夫により成績が向上しつつある.

弁形成術

著者: 佐々木達哉 ,   向井田昌之 ,   川副浩平

ページ範囲:P.948 - P.950

ポイント
●僧帽弁閉鎖不全症に対する弁形成術は,現在では100%可能である.
●近年の弁形成術の遠隔期成績は極めて優れており,人工弁置換術に比し合併症の発生率ははるかに低い.
●高度の僧帽弁閉鎖不全症では,心房細動に移行する前に弁形成術を行うのがよい.

解離性大動脈瘤の手術

著者: 渡部幹夫

ページ範囲:P.951 - P.954

ポイント
●解離性大動脈瘤の手術成績の向上は,手術症例の増加をもたらしており,発症数の増加と言うよりも,早期診断が可能となったことと,手術補助手段の改善がこれに寄与していると思われる.
●急性のStanford A型解離は不可逆的脳障害をきたしている症例と,他に致死的疾患を合併する患者を除いて,ほぼ全症例に手術が適応と考えられる.この疾患の存在を救急医のみでなく一般医も常に念頭に置く必要がある.

頸動脈狭窄症の手術(内膜摘除術)

著者: 根本ひろむ

ページ範囲:P.956 - P.958

ポイント
●動脈硬化性の頭蓋外頸動脈狭窄は,わが国では少ないが,欧米では非常に多く,内膜摘除術は多数行われている.しかし,最近その有効性に疑問がもたれ,多くのprospectivetrialが行われた.
●trialの結果は,無症状例での3つのtrialでは内膜摘除術は有効1,内科的治療のみと差なしが2,うち1つは統計処理などに問題があった.
●有症状例についての3つのtrialでは,3つとも内科的治療のみとは有意差をもって,内膜摘除術の有効性が証明された.これは特に高度狭窄例で著明であった.

胸郭成形術

著者: 福島鼎

ページ範囲:P.959 - P.962

ポイント
●胸郭成形術は肋骨切除による骨性胸郭の縮小を目的とした古典的な手術術式である.
●肺結核の外科的肺虚脱療法として抗結核剤のない昭和20年代に広く普及し,相当の治療効果を挙げたが,昭和30年代には肺切除術が主流となり,急速に行われなくなった.
●慢性膿胸に対し胸郭成形術は膿胸腔の縮小を目的に現在でも行われているが,新しい術式として骨性胸郭の温存を目的とする近中法,有茎性大網法が登場した.
●菌球型肺アスペルギルス症に対し,胸壁充填法と呼ばれる空洞形成術と,ごく小範囲の胸郭成形術を併用した新しい試みが行われている.

乳癌の外科手術(乳房温存術)

著者: 福内敦 ,   西常博

ページ範囲:P.963 - P.965

ポイント
●乳房温存療法とは原発腫瘍を周囲の乳腺組織とともに切除した後,残存乳腺に放射線を照射する治療法である.
●乳房を温存しながら高い局所の制御率を保ち,乳房切除術と同等の生存率を得ることを目的とする.
●乳房内再発の危険因子に基づき,慎重に適応を検討することが重要である.
●インフォームドコンセントならびに医師と患者の信頼関係がより重視される.

乳房形成術

著者: 山本浩

ページ範囲:P.967 - P.970

ポイント
●近年,乳がん患者の外科治療に対する関心事は乳房温存を主軸とする手法への大きな期待感であり,その意図するところは,乳房の整容性と同時に手術の根治性について安全性が得られるか否かに関してである.
●乳房喪失によってしばしば見られるphysicalおよびpsychological issuesはさまざまなdepressive signsの発現に集約され,これが患者自身の社会的および性的機能に問題を投げかけている.
●一方,このような趨勢にあって,今日では国の内外を問わず外科治療の中に乳房再建の技術が導入されて整容効果を挙げ,普遍化した段階にまで達している.その結果,本法が患者のquality of life(QOL)向上に寄与していることが示唆される.

肝移植

著者: 松波英寿 ,   幕内雅敏

ページ範囲:P.971 - P.977

ポイント
●最近の筆者らの生体部分肝移植の成績は90%の累積生存率に達し,小児の胆道閉鎖症,劇症肝炎のみならず,成人の原発性胆汁性肝硬変,先天性代謝疾患も救命できるようになっている.
●肝移植が必要と考えられる症例には,その疾患が進行して重症の肝不全に至ったり,感染症やその他の合併症が出現する前に移植を行うべきである.
●生体部分肝移殖におけるドナーは術前に種々の検査が正常であり,レシピエントに必要な肝容積(=レシピエント体重*2%*41%以上)の左葉を有するか否かを検討しなければならないが,レシピエントの1.2倍以上の体重があれば移植が行える可能性がある.

褥瘡の手術

著者: 平野明喜

ページ範囲:P.978 - P.980

ポイント
●術後に何らかの再発予防ができることが褥瘡手術適応の最低条件である.
●筋皮弁は血行豊富なボリュームのある組織を容易に移動できるため,褥瘡部の大きな軟部組織欠損を確実に再建できる.
●局所皮弁は筋皮弁のような厚みはないが,仙骨部などでは現在も有用である.
●局所皮弁や筋皮弁による再建後も予防を怠ると褥瘡は再発する.
●褥瘡の創管理では積極的な壊死組織の除去と十分な浸出液の排除が必要である.

癌の外科治療とその限界

食道癌

著者: 藤田博正 ,   掛川暉夫 ,   山名秀明

ページ範囲:P.982 - P.985

ポイント
●食道癌の手術適応や術式はpreoperative stagingとrisk analysisによって決定される.
●粘膜癌で非全周性,数個以内なら内視鏡的粘膜切除術が,それ以外は非開胸食道抜去術が選択される.
●粘膜下層以上に深達する癌は,リンパ節郭清を伴う開胸的食道切除術が選択される.
●他臓器浸潤や遠隔臓器転移を有する癌は,原則として非手術的治療(照射化学療法)が選択される.
●延命とQOLの改善が期待される場合は,姑息的食道切除の適応がある.

胃癌

著者: 千福貞博 ,   磯崎博司 ,   中田英二

ページ範囲:P.986 - P.989

ポイント
●縮小手術,拡大手術とも胃癌根治であるための必要十分条件を満たす手術を目指している.
●縮小手術は術後胃の貯留・消化機能の減退を少なくする長所を有するが,癌の進行程度の判断を誤れば根治性を失いかねない手術であるから,適応の決定は慎重でなければならない.手術手技に関する限界はない.
●拡大手術は腹部大動脈周囲リンパ節や他臓器を合併切除する術式で,進行癌といえども切除範囲内に癌進展がおさまっている場合は生命予後の改善が望める.しかし,根治性のない場合は,この手術はQOLや予後の面から考えて無駄な処置となる.

大腸癌

著者: 野登隆 ,   三富利夫

ページ範囲:P.990 - P.992

ポイント
●大腸早期癌のうちsm癌では約10%のリンパ節転移がみられる.
●リンパ節転移をきたしやすい要因としてsm 2,3の症例,脈管侵襲のみられる症例,病巣先進部の分化度が低下するもの,病巣のsizeの大きなものが注目される.
●肺,肝への血行性転移を有する大腸癌症例では,合併切除が可能ならば約30%の5年生存率が期待できる.
●直腸癌に対する機能温存手術が積極的に試みられ,人工肛門造設患者の減少,排尿障害,性機能障害が低下している.

胃悪性リンパ腫

著者: 濱名元一

ページ範囲:P.994 - P.997

ポイント
●外科的手術を第一選択とする.
●切除可能症例の術前化学療法は行わない.
●リンパ節転移,漿膜浸潤のある症例は術後化学療法を行う.
●手術術式は胃全摘がよい.病変が限局していると確定診断されたものは亜全摘にとどめる.
●化学療法は内科専門医のプロトコールによる.
●内科,外科の協力体制が大切である.

原発性肝癌

著者: 佐藤勤 ,   佐藤泰彦 ,   小山研二

ページ範囲:P.998 - P.1000

ポイント
●肝細胞癌に対する肝切除の適応は,腫瘍の進展度よりも,併存する肝障害により大きく制約されている.
●肝機能からみると,血清総ビリルビン値≧2.0mg/dl,アルブミン<3.0g/dl, ICG 15分停滞率>40%,プロトロンビン時間<50%,コントロール不能の腹水を有する症例では,通常,肝切除の適応はない.
●腫瘍の進展度からみると,肝内転移が片葉に限局し,門脈あるいは肝静脈の一次分枝に腫瘍栓を認めない場合には,根治をめざした肝切除が適応されうる.
●切除後の再発に対する再切除後の成績は,初回手術後の成績と同等であるため,初回手術と同様の適応で肝切除を行うのがよい.

転移性肝癌

著者: 嶌原康行 ,   小林展章 ,   山岡義生

ページ範囲:P.1001 - P.1003

ポイント
●転移性肝癌は,原発癌の病期から見れば末期に相当するが,適応を検討すれば積極的な外科治療の対象になる.
●転移性肝癌に対する肝切除の条件は,①原発巣が根治可能である,②肝以外に転移がない,③肝転移巣が限局している,④全身状態が肝切除に耐え得る,などである.
●転移性肝癌の治療は,外科治療を中心とした集学的治療が最も望ましい.
●大腸癌,直腸癌の肝転移に対する肝切除は,特に好成績が期待できる.

胆道癌

著者: 島田和明 ,   小菅智男

ページ範囲:P.1005 - P.1007

ポイント
●胆道癌の治療の主体は手術療法である.治療成績向上のための拡大手術としては,血管合併切除を伴う肝切除や,肝切除を伴う膵頭十二指腸切除が行われている一方,術後の消化吸収機能を考慮した幽門輪温存膵頭十二指腸切除も普及しつつある.
●姑息治療としては,胆道閉塞に対し手術的内外瘻術が行われてきたが,最近ではPTBD(percutaneous transhepatic biliary drainage)やERBD(endoscopic retrograde biliarydrainage)による侵襲の少ない内外瘻術が選択される.

膵臓癌—機能温存手術と拡大手術

著者: 安田秀喜 ,   高田忠敬

ページ範囲:P.1008 - P.1010

ポイント
●膵頭部癌に対する切除術式には,標準術式,拡大術式,温存術式がある.
●標準術式は,第1群リンパ節郭清を伴う膵切除術と定義されている.
●拡大手術は,第1群および第2群以上のリンパ節郭清を伴った膵切除術,あるいは第1群郭清と膵周辺臓器を含めた広汎な膵切除術である.
●幽門輪温存膵頭十二指腸切除術(PPPD)における切除範囲は,膵頭部,十二指腸第2部〜第3部,胆嚢,下部胆管であり,全胃,幽門輪,十二指腸球部が温存される.
●幽門輪温存膵頭十二指腸切除術の予後は,膵頭十二指腸切除術(PD)と比較して生存率に有意差を認めなかった.

原発性肺癌

著者: 松原義人 ,   塙健 ,   和澤仁

ページ範囲:P.1012 - P.1014

ポイント
●原発性肺癌の治療法の中で治癒を期待し得るものは外科治療であるが,その限界を示すものとして拡大手術と縮小手術がある.
●原発性肺癌の拡大手術は,手術手技の向上,医用材料の改良,術後管理の進歩などによってその成績は改善されてきた.しかしなお,技術的な限界,術後再発から考慮される腫瘍学的な限界,標準手術に比し術後合併症や死亡率が高いこと,術後のQOLなどの問題点がある.
●一方,縮小手術は低肺機能例や高齢者に行われるが,poor riskのため術後管理に難渋することがあり,また根治性の点に問題がある.

転移性肺腫瘍

著者: 坪田紀明 ,   吉村雅裕

ページ範囲:P.1015 - P.1018

ポイント
●本疾患に対する外科療法の最もよい適応は片側の単発病巣であるが,両側でも一側にCT画像上数個以内までの症例に手術が考慮される.両側多発例も化学療法が奏効すれば,かつては適応外と考えられた症例も外科療法の対象となる.
●執刀医は将来の複数回手術に備えた必要十分量の最小肺切除を心がけるべきである.手術操作が肺門部に深くなっても,安易に葉切除や肺摘除に走ることなく,腫瘍を含めた肺部分切除遂行の手技習得が求められる.腫瘍境界不鮮明以外のいかなる理由も過剰切除の言いわけにはならない.

乳癌

著者: 小山博記 ,   元村和由 ,   野口眞三郎 ,   稲治英生

ページ範囲:P.1019 - P.1022

ポイント
●近年,乳癌の生物学の解明につれて手術の意義についての概念が変わってきた.
●乳癌の手術は根治的乳房切除術(Halsted術式)に代わって胸筋温存式乳房切除術が標準になった.
●早期乳癌には乳房温存療法が標準術式になりつつある.
●乳癌の手術後の補助化学療法の有効性が明らかになった.

カラーグラフ 生検による組織診断・5

消化管(Ⅰ)

著者: 滝澤登一郎

ページ範囲:P.1035 - P.1039

 消化管の生検材料は,病理組織診断の対象として最も一般的なもので,病理医にとっては,最初に実地診断の訓練の対象となる“入門篇”である.しかし,他の領域と同様に,各症例を的確に診断することは決して容易なものではなく,片手間仕事は通用しない.
 2回にわたり,消化管の生検組織診断に内包されている問題点について,具体例に即して解説してみたい.初回は胃癌の生検診断を取り上げ,次回に食道と大腸の生検に関する問題を中心に概説する.

グラフ 内科疾患と骨・関節病変・5

糖尿病に伴う骨・関節軟部の変化

著者: 福田国彦 ,   谷口郁夫

ページ範囲:P.1041 - P.1045

 症例
 患者:糖尿病にて血液透析中の45歳,男性.
 現症:25歳時,糖尿病と診断.以後,インスリン療法を施行するも,糖尿病性腎症,糖尿病性神経障害,糖尿病性網膜症が出現.36歳時,軽度の疼痛を伴う両足浮腫と変形が出現.糖尿病による神経性足関節症と診断され,足関節装具による保存的療法にて経過観察.40歳時,糖尿病性腎不全により血液透析を開始.

MRI演習・5

T1強調像でもT2強調像でも低信号を示す骨盤腔腫瘤

著者: 荒木力

ページ範囲:P.1047 - P.1051

Case
45歳,女性.主訴:胸部膨満.図1Aは正中断のT1強調像(TR 500msec, TE 20 msec),図1BはT2強調像(TR 2,000 msec, TE 80msec),図1Cは図1Bの1cm右側の矢状断層像である.

図解 病態のしくみ—遺伝子・サイトカインからみた血液疾患・5

慢性骨髄性白血病

著者: 高山信之

ページ範囲:P.1053 - P.1058

 ●はじめに 慢性骨髄性白血病(CML)は多能性血液幹細胞のクローナルな増殖性疾患である.通常,顆粒球系細胞の異常増殖を主徴とする慢性期(chronic phase)に始まり,数年の経過の後に,多くの場合移行期(accelerated phase)を経て,急性白血病と同様,芽球の増多を認める急性転化(blast crisis)に至る.このような多相性の経過をとり,段階的に悪性化が進展するという点は本疾患の大きな特徴である.もうひとつ,本疾患のユニークな点は,Philadelphia染色体(Ph1)と呼ばれる特徴的な染色体異常が90〜95%に認められることである.Ph1染色体はt(9;22)(q34:q11)の相互転座を意味するが,近年の分子生物学の進歩により,染色体転座の遺伝子構造はほぼ明らかにされ,CMLは白血病の中では分子レベルでの病態解析が最も進んでいる疾患となった.本稿では,最近の分子生物学的知見を中心に,CMLの病態について概説してみたいと思う.

臨床医に必要な老人をみる眼・5

高齢者のパーキンソン病

著者: 圓谷建治

ページ範囲:P.1059 - P.1062

 パーキンソン病は,緩徐進行性の慢性疾患である.薬物療法などで症状が改善される.対症療法であるが,生命予後は改善し,長期生存が可能になった.また,病気の進行が抑えられるという薬剤も報告され,期待が持たれている.
 しかし,長期治療により,症状が多彩になり,対処すべき問題も多い.薬物治療と同様に,リハビリテーションや生活指導が大切である.生涯にわたる治療と生活指導が必要になるので,治療に過大な期待を抱かせることは避けるべきであるが,不治の病ではない.薬剤性パーキンソニズムなどのように治癒可能な疾患もある.鑑別診断が必要である.

薬を正しく使うためのDrug Information—副作用について・5

アンギオテンシン変換酵素阻害薬と咳・腎機能障害

著者: 石本二見男

ページ範囲:P.1063 - P.1065

 アンギオテンシン変換酵素阻害剤(angiotensinconverting enzyme inhibitor:ACEI)は,その特異な作用機序と強力な降圧効果と相俟って,現在広く臨床で使用されている.一方,本薬剤の使用が一般的になるとともに,各種の副作用が存在することも知られてきた.ACEIの副作用として重要なのは腎機能障害であり,初期に知られたものに乾性咳嗽(dry cough)がある.これらの副作用により,患者の中には服薬続行が困難となる例も見出されてきた.副作用の中には,対処を誤ると重大な結果を招く危険性のものもあるため,注意が必要である.ここではACEIの副作用のうち,腎機能障害と乾性咳嗽について概説する.

これからの医療と医療制度・5

老人保健施設

著者: 寺崎仁

ページ範囲:P.1078 - P.1079

 老人保健施設は,老人保健法に基づいて設置されているもので,昭和61年の同法改正により創設された新しい医療施設である.入所の対象となる人は,病状安定期で病院での入院治療は必要ないが,リハビリや看護・介護を要する寝たきり老人などである.
 この入所対象者で見る限り,老人病院や特別養護老人ホームと良く似た施設であるが,老人病院は「治療機能」,特別養護老人ホームには「家庭機能」が求められるのに対し,老人保健施設では「家庭復帰・療養機能」が施設の機能とされている.また老人保健施設は,「家庭復帰に至るまでの通過施設」とも位置付けられており,病院と家庭の中間,あるいは医療と福祉の中間という意味で,「中間施設」とも呼ばれている.

連載

目でみるトレーニング

ページ範囲:P.1028 - P.1034

SCOPE

対談:女性ホルモン補充療法—青野敏博教授に聞く

著者: 青野敏博 ,   小澤安則

ページ範囲:P.1067 - P.1077

 小澤 今日は,徳島大学産科婦人科学の青野教授に,内科医としていろいろおうかがいしたいと思います.私どもが内科医として診療していて,患者さんの半分は女性なわけです.その中で,更年期症状を伴った人,閉経後の様々な問題を抱えている人が内科を訪れることもよくあります.あるいは,内科の疾患で長くみている患者さんに婦人科的な問題が生じて来ることもしばしばあります.平均寿命が次第に長くなってきた現在,そういう人たちの比率がだんだん増えてまいりまして,私たち内科医も産婦人科の知識を持たないと正しく患者さんをみていけないという事態になりつつあるのではないかと思います.
 産婦人科領域の進歩も最近は目を見張るものがある一方,内科の中ではsub-specialityが進み,内科医は自分の領域だけを勉強するのに精いっぱいで,産婦人科の学会へ出席したり,雑誌を読むことはほとんどなくなってまいりました.ということで,境界領域を含めて一般内科医が産婦人科の知識をどれだけ持つべきか,幾つかのポイントに絞ってお話をいただきたいと思います.

基本情報

medicina

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN 1882-1189

印刷版ISSN 0025-7699

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