icon fsr

文献詳細

雑誌文献

medicina31巻9号

1994年09月発行

文献概要

今月の主題 水電解質・酸塩基平衡の調節とその異常 Editorial

Naに関する身近な話

著者: 菱田明1

所属機関: 1浜松医科大学第1内科

ページ範囲:P.1840 - P.1841

文献購入ページに移動
 1.学生との対話①―Na濃度に関する誤解の源
 私がベッドサイド実習の学生を担当するときには,病歴,理学的所見からどんな診断が考えられるかを議論した後,学生に検査計画を立てさせることにしている.「担当した患者についてどんな検査をしたいか」を述べさせると,腎に関連した患者が多いこともあって,多くの検査項目に混じって,Na,K,C1などの血清電解質をあげることが多い.そこで,「なぜ血清NaやC1を測定したいのか?その患者の血清Na値やC1値でどういう異常が起きている可能性があると考えるか?」などと質問すると,多くの学生は当惑した顔をする(腎臓が悪い患者でNa,K,C1などを測定するのは常識ではないかと言いたそうである).また,苦しまぎれに「尿細管の障害のためNa欠乏をきたして低Na血症になっている可能性がある」などと答えたりすることが多い.そんなとき,意地悪く「この患者では腎機能障害のためNa排泄障害による高Na血症が起きているのでは?(Na排泄障害があっても高Na血症になるわけはないのだが)」と質問してみたりする.さすがに,この質問に「そうですね」とのってくる学生は少ない.多分,高Na血症をみることが少ないことから「これはおかしいそ」と思うのだろう.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1189

印刷版ISSN:0025-7699

雑誌購入ページに移動
icon up

本サービスは医療関係者に向けた情報提供を目的としております。
一般の方に対する情報提供を目的としたものではない事をご了承ください。
また,本サービスのご利用にあたっては,利用規約およびプライバシーポリシーへの同意が必要です。

※本サービスを使わずにご契約中の電子商品をご利用したい場合はこちら